永遠約束
□4
1ページ/1ページ
「あ、あったあった」
お姉ちゃんの部屋に入ると、案外それは早く見つかった。
ベッドの上に無数の漫画が散らばっていたから。
…お姉ちゃん、掃除苦手だもんね。
「…あれ?」
ガサガサとリボーンの漫画をかき集める。
するとある巻の表紙が目に入り、思わず思考が停止した。
「ベ、ル?」
そこには黒い赤ちゃんを抱えたベルと、後ろに機械のような物体が描かれていた。
少し今よりは見た目が幼いけど、パラパラと捲って読むとその人とベルは話し方がそっくりだった。
そんな、まさか。
「ベルって…漫画の人物?」
そう言えばイタリアに居たとか言ってた。
おまけにボンゴレファミリーが現実にあるだとか、何とか。
怖い位に辻褄が合ってる。
「取り敢えず見せないと…」
もしかしたら絶望してしまうかも。
少なくとも、凄くショックを受けるのはまず間違いない。
今私に出来るのは、一刻も早くベルを元の世界に帰す事。
私は17冊のリボーンの漫画を抱えて、自室へと走った。
***
「ベルー!!」
「ししっお帰りー、あった?」
「うん、まあ…」
「じゃあ見せろよ」
「あっ」
ひょい、と漫画を取り上げたベル。
うわああ。あれはバッチリベルが描いてあったやつだ…!
「何コレ」
やっぱりベルは予想通りの反応を見せた。
無言でページを捲るその手は、微かだけど震えている。
「これさ、実際にあったんだけど…」
「本当に?」
「うん。つーかオレ達の戦いを客観的に見たらこうなると思う」
「そっか」
パタリと本を閉じて、その続きの巻を手に取るベル。
背表紙には細くベルが描かれている。
「簡単に言うとさー」
「何?」
「オレ、パラレルワールド来ちゃった感じじゃね?」
「そうなのかな」
「それしかねーだろ」
…パラレルワールドに来たなんて、何したんだよベル。
何やらかしたらそんな事になるんだ。
それと、まず確かになったのはベルと私達の住む世界は別の物と言う事。
ベル達はリボーンの漫画の世界、私達は現実世界。
第一漫画の世界キャラクターが来るなんて聞いた事ない。
取り敢えず…
「ベルは外出禁止」
「え、意味分かんね」
異世界
(他の世界に来るオレって幸運?)(何開き直ってんの)