以心伝心

□act.1
1ページ/1ページ



ボンゴレ直属の独立暗殺部隊のヴァリアー。
ジャポーネやイタリアなどのマフィア界においては、結構有名だと思う。
彼等は常人では出来ない妙技を成し遂げるので通称、ヴァリアークオリティと言う言葉までもが出来た。

誰もが恐怖を抱く暗殺部隊。


そんなヴァリアーの人達は、かけがえのない私の居場所だ。



「うしし。ステラはっけーん」

「おはよお。さよおなら」

「ししっ。うっぜー」


頭のティアラよりも眩しい歯を見せて笑うのはベル。
私が下っ端の頃からちょくちょく話し掛けられていた人だ。


「お、カエルじゃん」

「ベル先輩じゃないですかー。
こうして出会ったのも何かの縁ですよねー。
なので記念に死んでくださーい」

「意味わかんね」

「ゔっ…。
あー堕王子っていつ滅ぶのかなー…」


ベルにナイフを刺されて毒を吐いているのは、フラン。
ベル同様何かと絡んで来るけど、絡み方が半端じゃなくウザい。


「ステラ、食堂行きましょうよー。
今ジャポーネから届いた魚が美味しいんですよー」

「へぇ、そうなんだ」

「奢りますよー、ついでにミー達の将来についても語りましょうー」

「何だよそれ」


ベルじゃないけどナイフ刺したい。
そんな事を思ったらベルが嬉しそうにナイフを差し出したて来た。
何こいつエスパーかよ。
それともヴァリアークオリティですか。


「黙れよカエル、お前は1人で語ってろ」

「1人でブツブツ言ってたら完全にミーは不審者じゃないですかー」

「そのカエル被ってる時点で不審者だろ」

「あー、ベル先輩が死んだらこれを墓石にしてやるー」


ベシッとカエルを床に叩きつけて涙目になるフラン。
この二人は仲良しなのか、そうでないのかが分からない。
…多分後者だとは思うけど。


「それじゃあ堕王子なんて無視して行きましょうー」

「何腰触ってんの?訴えるぞ」

「きゃー痴漢しちゃいましたー」

「うん。もう何も言わないから死ね」


親指を下に向けると、自然と顔が緩んだ。
このままこいつが死んだら私は一生ハッピー!


「マジうぜぇんだけど」

「まだ居たんですかー。
ミー達の愛の逃避行を邪魔しないで下さいよー」

「一人で現実から逃げてろ!」


ゲシッとフランに飛び蹴りすると、ゲロッとうめき声が漏れた。
ははは、正義は勝つ!


「…少しは女らしくしたらどうなんですかー。
新妻的セリフを聞きたいですねー」

「王子も」

「何それ?」

「ほら、ご飯にする?とか言うやつですよー」

「あーあ…」


ぽん、と相槌を打って納得。
そんなにあのセリフって女らしいの?


「ご飯にする?ライスにする?それともお・こ・め?」

「…」

「…全部米じゃん」


え。何間違えた?
止めてよその温度差のある目!
(ベルは見えないけど!)


「どこで覚えたんですかそれー」

「え、自己流」

「何で全部米なんだよ」

「好きだから!
ジャポーネ最高万歳」

米を舐めたら天罰が下るぞ!
あとはタラコも神だと思うよ。

「取り敢えずステラにはガッカリですよー。
ミーの期待を返せよ詐欺師ー」

「なっ、期待も何もないじゃん!」

「米以外の選択肢を付けろよ。
お前とかお前とかお前とか」

「うわ気持ち悪」

「…ダメだこりゃ」

「さて食堂行きましょうー」

「まだ覚えてたのか、ブルータス」

「失礼ですねー。誰がブルータスだよー」

「うししし、超お似合い」


そしてさり気なく私の肩に手を置くベルを叩いた。
何こいつら、揃って痴漢ですか。
告訴するぞこのやろう。



肩を思いっきり叩くと何故か満足そうに笑うベルとフラン。
ちょ、何こいつらドM?



平穏な日常
(ボディタッチされちゃいましたー)(うしし。オレのが愛があったし)
(取り敢えず黙れよMコンビ、ベルフラ)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ