Dream

□Lips
1ページ/8ページ

Lips〜@〜



「わぁ…っ、可愛い。。!」

…毎月、発売日を楽しみにして購入しているファッション雑誌、“シンデレラ”の、

“秋冬コスメ大特集!”の記事を見て、今日の発売日を楽しみに待っていた…

今、つい思わず思った事をそのまま口に出してしまった私の手の中に有るのは、

女の子ならきっと誰でも大好きな“あのブランド”の、

見た目もそしてキラキラと光輝くラメ入りなのも可愛くって堪らない、

薄くてキレイなピンク色のグロスだったの。。

「あっ、コレ今月のシンデレラに載ってたのだよね〜」

1人では何となく恥ずかしくって行きにくくって…お仕事終わりにご飯を食べる前に、

一緒に老舗のデパートの化粧品コーナーでのお買い物に付き合ってくれている、

仲良しの伊織も興味深気にそのグロスを見つめていて…

「うんっ、これ見た目も色も、可愛いよね…!」

…雑誌で見たのとそのままな、可愛い見た目のパッケージ。。

そして、グロスのキレイな薄いピンクのその色に、

その上、“秋冬限定”だ何て書いて有ったら、

女の子として、これ程魅力的でそして、

“絶対に欲しい!”と言う購入意欲をそそられる事はきっと言う迄も無いのかな…?

「コレねぇ〜私も欲しいけど…きっとこの色だと、色の白い咲良の方が似合うよね〜」

片目を閉じてウィンクをして、じっとそのグロスと私とを交互に見た伊織が、

にこっと微笑(わら)って、お店にディスプレイされているグロスを手に取り私に渡すの。。

「そ…っ、そうかな、似合うかな。。?」

今度は自分の手の中の物と一緒の、

今しがた伊織に渡されたばかりのグロスとをじっと交互に私が見つめる…

「うんっ、きっと咲良に似合うって〜!」

そうにこにことした笑顔の伊織がふっと整った綺麗な表情(かお)の瞳をイタズラっぽく細め、

小声で私に囁いてくる。。

「…コレ付けてデートでもしたら、彼氏も咲良の事惚れ直すんじゃな〜い?」

急に伊織の口から飛び出た“彼氏”と言う言葉に、私の胸はドキンと大きな音を立てる…

「あぁ〜っ、良いなぁ〜咲良は〜!あっ、コレ可愛い〜」

1人、何だかドキドキしている私を他所に、

伊織ははっきりとしたその顔立ちに似合いそうな、赤みの強いグロスを見つけて手に取っていて。。

それからニッと口を開けて表情を崩した伊織は、

「…ねっ、ソレ付けて咲良が1番に逢いたい相手は…あの人でしょう。。?」

そう言って、真っ赤なって照れる私を見て、大きな声であははと笑ったの。。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ