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□Gosick Pain, Rainbow
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Gosick Pain, Rainbow



人間(ひと)は何時でも、雨上がりの虹に憧れ、想いを馳せる。

永く雨が降り続いたとしても其れでも、綺麗な虹を見る為ならばと、雨を好む者も居るだろう。

…だけれどもしも、その雨は一生止まないとしたら…?

きっとこの先、僕のこの心に酷く冷たく降りし切る、雨が止む事は無いのだろう。

雨は止まない、それ故に、綺麗な虹は、僕には見れない、永遠に…

『ユウお兄ちゃんっ』

…幼い頃の、ふわりと微笑むその笑顔は其の儘に、暫く逢わない間に君は凄く、綺麗になったね…

僕にとっての君は“光”で、君のその存在だけが僕を明るく照らし続けて居てくれたと云うのに。

…だけど、でも、もう何もかもが遅くて如何する事も出来なくて…

“お姫様”は、“王子様”と出逢ってしまった。

叶う事なら、出来る事なら、君には何も想い出して欲しく何か無かった。

…願わくば、君に残るは、僕と過ごしたあの時間だけでいて欲しかった…

君の名前も…“ちゃん”付けで呼ぶ事ですら、今と成ってはもう叶わない。

これから先は、一生、“様”とお呼びし、仕える先の新しい主…

幼い頃のままの笑顔で微笑む、君に名前を呼ばれるその度に、僕の心は張り裂けてしまいそうで。

…鈍い痛みがこの胸を覆う、いっその事、鋭く、突き刺してくれたのなら良いのに…

音を立てて侵食して行く、此の儘で居ると、僕の心は壊れてしまう。

…あぁ、もう駄目だ…もう、此処には居られない…

何処か知らない場所へと、遠くへ行きたい、

…此処ではない、何処かへと…

XxFar Away xX

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