Don't think, feel !

□6話
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夏休みというのは学生にとって一年で最大のイベントと言っても過言ではないだろう。いや、学生でなくても夏休みは嬉しい。彼氏彼女とデート、友達と海に行ったりショッピングしたり夏祭りに行ったり家族で旅行に行ったり。楽しみかたは色々だ。私だって例外ではない。ないはずだ。けど私はやっぱりどこか冷めているのだろう。自分でも分かる。インドアなのは小さい頃からだけど、高校生初めての夏なんだから友達といっぱい遊んでもいいと思う。でも体が動かないのだ。つまり遊ぶのが面倒くさい。ここまで面倒くさがり屋だと、人としてどうかと思う。


「私って友達いないのかなー…」

遊びのお誘いのひとつやふたつ来てもいいと思うのだが…そういったものはひとつも来ていなかった。ケータイをパタンパタンと意味なく開け閉めする。

「鈴くん、何かあったのかい?僕に出来ることなら何でも言ってくれたまえ」

「竹中さん…」

あ、今ちょっと竹中さんに癒された。優しい。なんて優しいんだ。石田さんなんて私の悲しい発言に見向きもせず昼ドラに夢中だというのに

「前に言いましたよね?今は夏休みという長期休暇中だと」

「あぁ、聞いたね。本来ならば学校という所に通うのだろう?」

「はい。だから暇で暇で。こう毎日に刺激は・・・・・・十二分にあるのですが」

「何かなその目は。」

ジロッと竹中さんと石田さんを見ながら言うとすかさず竹中さんに突っ込まれたので不本意ながらもごめんなさいと気だるく謝る。
イケメン武将と同居する毎日に刺激がないわけがなかった。

「竹中さん、どこか行きたいところとかありますか?」

「行きたいところ?」

この質問はなかなか難しかったようでフム…と竹中さんは考え始めた。私は答えを待つことにする。

「石田さんそのドラマ面白いですか?」

「つまらん」

じゃあ観なければいいのに…








***



「散歩に行きたいな」

「は?散歩?」

竹中さんの答えは意外や意外。おじいちゃんみたいな答えだった。

「まだこの時代の風景なんかをよく見る機会がなかったからね。駄目ならいいんだ」

「駄目じゃないですよ。てゆうか、ホントに散歩でいいんですか?」

「あぁ。鈴くんにとってはただの散歩でも僕らは楽しいからね」

なるほど。それもそうか。私ももし異世界の未来に行ったら少しでも外に出て色んなものを目に焼き付けたくなると思う。それに散歩はお金がかからないし私も大賛成だ。

「じゃあ散歩に繰り出しましょう!!」

外に出る良いきっかけができた。石田さんは昼ドラを途中から観れなくて残念そうだった。



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