Don't think, feel !
□5話
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朝。夏休みは絶対早起きなんかしないで心ゆくまで寝るんだって決めていたんだけど…
「おはようございます。相変わらず起きるの早いっすね」
「あぁ、おはよう鈴くん」
「貴様が遅すぎるのだ」
夏休みに入ると同時に同居人が出来たので、おちおち朝寝坊も出来ないのであった。
しかも同居人というのはファンタジーの戦国時代からきた武将2人。
最初こそ、毎朝起きたらいつも誰もいない居間に異性2人がいるのは違和感バリバリであったが、今では「今日も暑いですねぇ」なんて世間話までするようになった。我ながらこの状況に慣れるの早いな。
「すぐ朝食作りますんで〜」
2人のお世話は大変だけど自分のご飯を食べてくれる人がいるってのに関しては結構嬉しい。面倒くさい料理を作るのも独りだったときより力が入る。
「手伝うよ」
「ありがとうございます。じゃ、お湯沸かしてくれますか」
「私は何をすればいい」
「石田さんはお皿出しといてください。大きめのやつで。」
指示をするとちゃんと竹中さんはコンロの火をつけ石田さんは食器棚からお皿を出した。
この人達の適応力にはただただ感心する。一つのことを教えたらすぐさま吸収し理解する。それでもまだまだ至らないところはあるのだが。
「今日は和食じゃなくて洋食ですから」
「南蛮のものか。」
南蛮?あぁ昔は外国のことを南蛮って言うんだっけ。石田さんが反応するなんて珍しいなぁ
「よく分かりましたね。詳しいんですか?もしかして興味があったり…」
「いや、惨滅したい奴の一人に異常に南蛮に詳しい奴がいるだけだ。思い出しただけで腸(ハラワタ)が煮えくり返る」
石田さんの中には「惨滅したい奴番付」でもあるのだろうか
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