Don't think, feel !
□4話
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買い物は全部終わった。足りない物があったらまた買いに来ればいいんだ。今日はこれくらいにして、さっさと帰ろう。
「おい。」
「何ですか石田さん」
私に声をかけた石田さんは心底忌々しそうな顔で後ろの結構前からいた女の子の集団を見た
石田さんが振り向いた途端女の子たちはキャーと顔を赤くして興奮している。
「何なんだあいつらは。不快で仕方がない。一人残らず惨滅して「駄目です!!」何故だ」
あのなぁ…こんなかっこいい男2人がいたらそりゃ気になりますって。
言ってなかったけど家を出てからあんたら注目の的ですからね?
そしてそんなイケメンらと一緒にいる私がどれだけお姉さま方に痛い視線を向けられたことか。
泣いていい?
「石田さんたちがかっこいいからついてきてるんですよ。放っといたら諦めていなくなりますから。我慢ですよ。」
それから暴力はいけません。と強めに言う。
分かったのか分かってないのか、女の子達を一睨みして歩みを再開させる
「三成くんは昔から相変わらずだね」
「は、半兵衛様!」
「昔から女の子に人気ってことですか。いい加減慣れたらどうですか。」
「貴様に言われる筋合いはない」
「…すいません」
出入口に向かっていると、最初に話題になった珈琲専門店が見えた。
「買っていきましょうか。此処の珈琲美味しいですよ」
お店に入ろうとする私を止めたのは、あれ、竹中さん?
珈琲別に飲みたくなかったのかな?
「今さらだけど…君は僕達の物をたくさん買ってくれた。住む場所も与えてくれた。それが僕は心の底から感謝していると同時に心配でね。僕がこんなこと言える立場ではないのは重々承知だが、必要以上の出費は避けたほうがいいのではないのかい?」
つまりお金の心配をしているわけっすね…
自慢じゃないが、実は私の懐には多額のお金が潜んでいたりする。
銀行に行けば独り暮らしをするためのお金があるし、それに加えて両親からの毎月送られてくる必要以上の仕送りにずっと貯めていた私のバイト代だ。
「貧乏性と自負している私がお金もないのにこんなに買うわけないですよ。それに、人には情けをかけよって言いますからね。私が珈琲飲みたいんです。丁度いいので買っちゃいましょう」
珈琲を買って帰路につく。外はもう日が沈んでいた。
現在の時刻は5時58分
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