Don't think, feel !
□1話
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拝啓、海外で働いてるお父さんとお母さんへ。貴方達の娘、音無鈴は無事志望高校に入学し人生初の独り暮らしをなんとか乗りきっています。日本に帰ってくるのが何年後か知りませんが、帰ってくるさいには素晴らしいお土産よろしくお願いします。 敬具
「よし、こんなもんか」
外国で働いてる両親宛の手紙を書き終わった。
正直こんな文面で良かったのかと我ながら思うが、まぁ娘を一人日本に置いてきぼりにして遠くの国へ稼ぎに行く薄情な親にはこれくらいで丁度いいだろう。手紙出してもらうだけ有り難く思ってほしい。
勘違いするかもしれないが、私は両親を恨んでなんかいませんよ?
独り暮らしをしなければいけないと知ったのは中学一年生の頃だし、それを知ったときから独り暮らしに支障が出ないよう、生活をするにあたっての必要な一通りの家事を練習してきた。
そのおかげで料理の腕もこの年齢にしてはなかなかだと思う。
つまり私は独り暮らしを絶賛満喫中ということだ
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