My school life

□暇をもて余した
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婆娑羅高校の敷地面積はやけにでかい。校舎自体もでかい。あれ?ここ、大学?と疑ってしまうほどに。設備もとても豪華だ。さすが有名私立学校といったところか。

今私が居る図書室も例外ではなく、なんと図書室の中に二階がある。造りや雰囲気もアンティーク調で所々オシャレなのが、なかなか落ち着く仕様になっている。勿論本の数は膨大だ。最早図書室というより図書館の域だ。

その一角の自習スペースにカバンを降ろし早速目当ての本を探しに行く。放課後の図書室は人がちらほらと居る程度のものだった。高い位置にある窓ガラスから放たれる日の光が気持ちいい。


何故私が図書室に来たかというと、社会の課題のために資料がいるからである。他の人はネットで調べる人がほとんどだが、先生が本で調べたほうが点をくれるという噂を耳にしたのでわざわざ普段は来ない図書室に足を運んだわけだ。


資料になる本がありそうな棚を見て回る。三冊ほどそれらしい本を見つけたが、どの本が一番良いのか私にはさっぱりだ。


「う〜ん…」


五分ほど考えて、最終的にどうでもよくなったのでその三冊の本全てを持っていくことにした。自分で言うのもなんだが頭を使うのは苦手だ。


戻ろうとすると、目の端に見知った姿が映った。

あー携帯に電話しても出ないと思ったら図書室に居たのかよ…。まぁなんとなく予想はしてたけどさ。

迷いなく私はその人物に足早に近づく。私が背中を叩こうとした瞬間に私の気配を察知したそいつは本を読み耽っていたはずなのに凄い速さでこちらを振り返った。


「びっびっくりしたぁー!!」

「これはこれは、珍しい奴が珍しい所に居たものよ。気でも狂ったか?」

「刑部は私を何だと思ってんだ。私だってねぇ図書室くらい活用しますー」


図書室内でも一際(ひときわ)暗い所に刑部は居た。私を見たとたん挨拶代わりに嫌味を言う刑部にいつも通りに返す。慣れたものだ。

刑部は私の持っている三冊の本を一瞥するとニヤリと笑った。な、なんだよ。




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