Working girl

□噂のあの人
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いつも賑やかで楽しげな声が響き渡る一年は組の教室。だが今日はその元気な声は聞こえなかった。不思議に思った不運小僧…じゃなくて、風雲小僧もとい乱太郎は教室の中心に集まって何やら話しているクラスメイトたちに聞いてみた。

「ねぇみんな何話してるの?」

「あ、乱太郎。」

「乱太郎は知ってる?」

「え?何を?」

乱太郎が質問をするとは組一同は目を見合わせた後に仲良く揃って話し出した。


「掃除のお姉さんのこと!」




掃除のお姉さん?
乱太郎はハテナマークを浮かべた。そういえば土井先生が少し前に新しい掃除のお姉さんが来たというようなことを言ったような言ってなかったような…。事実、土井先生はきちんと言っていたのだが乱太郎はすっかり忘れていた。

「知らないよ?見たこともないし」

「でしょ?僕も見たことがないんだ」

「いや、庄ちゃんだけじゃなくて僕たちみんな新しい掃除のお姉さんを一度も見たことがないんだ!」

「可笑しいと思わないか?もう掃除のお姉さんが来てから結構経つのに誰もその姿を見たことがないなんて」

確かに可笑しい。学園内を掃除していたら嫌でも目につくだろう。掃除をしていなかったら見ることもないだろうが、学園は前より綺麗になったと思う。やっぱり掃除のお姉さんは存在するのだ。

「見てみたいと思わないか!?」

「思う!」

思い立ったら即行動!なは組は一斉にドタドタと教室を出ようとした。

「ストッープ!」

が、冷静なは組の学級委員長、庄左エ門の鶴の一声でみんな立ち止まる。庄左エ門除く十人の顔が不思議そうに我らが学級委員長を見た。

「みんなよく考えてみなよ。ただやみくもに探したって今までと同じように簡単には見つからないよ」

庄左エ門の冷静な意見に誰もがなるほど。と納得する。そのなかで、疑問に思った団蔵がはいっと手を挙げた。

「じゃあどうやって探し出すの?」

「ここは、先輩方のお力を借りようと思う!他の忍たまのなかには見たことがある人もいるかもしれないし」

「まずは情報収集ってことだねぇ?」

「各委員会の先輩に聞いてみよう!」

おー!と仲良く意気込んで、今度こそ一斉に教室を出ていった。目指すは先輩。そしてさらには謎だらけの掃除のお姉さんだ。




***



「掃除のお姉さん知ってますか?」



〜会計委員会〜


潮江「掃除のお姉さん?あぁ確かに来たと聞いたな。姿は見たことがないが。それより団蔵!この帳簿の計算間違えているではないか!鍛練が足りん証拠だ!」


田村「あぁユリコ今日も可愛いね…ん?団蔵か。僕に何か用か?は?掃除のお姉さん?そんなの居たのか。見たことも聞いたこともなかったぞ。それより今はユリコの世話で忙しいんだ。ユリコ、綺麗にしてあげるからね!」


神崎「気になるならば会いに行けばいいんだ!どこにいるかって!?知らん!だが、司馬法にいわく進退は疑うなかれだー!!!」



〜体育委員会〜


七松「掃除のお姉さんか!見たことないがバレー好きかな!もし会ったならいけどんにバレーだ!」


滝「掃除のお姉さん…まだ会ったことはないが、少し前に長屋を掃除しているのを見たことがあるぞ!まぁ戦輪の訓練をしていたので近づかなかったが、その時の私の戦輪さばきと言えばいつものように美しくかつ(ぐだぐだぐだぐだ)」


次屋「あ、金吾。ねぇ三年長屋っていつ移動したの?」


時友「掃除のお姉さん…?うん。知ってる。少し話したこともあるよ。優しい人だったよ」



〜図書委員会〜


中在家「もそ…もそもそ…もそ…」


不破「えっ掃除のお姉さん?知らない…けど、そんなような人を厠の近くで見たような…あぁでも見間違いかもしれない…いやいやでも…」


能勢「掃除のお姉さんなら四郎兵衛が話したって言ってたぞ」



〜用具委員会〜


食満「おーそれなら伊作のほうが詳しいと思うぞ。なんでも怪我の治療をしていたとか…。俺か?俺は知らん。名前は音無というらしい」


富松「左門んんんんんん!!!三之助ええええええ!!!どこいきやがったあいつら!!!」



〜火薬委員会〜


久々知「知ってる。けど見たことはないなぁ。学園で生活してればそう焦らずともいずれ垣間見れるだろ」


斎藤「えっ女の子が来てたの?知らなかった〜どんな子かなぁ伊助くん知ってる?え?だから知らないって?そっかごめんね〜。髪、結わせてほしいなぁ」


池田「掃除のお姉さんなら四郎兵衛が(ry」



〜生物委員会〜


竹谷「あああ虎若!!三治郎!!いいところに来たなお前ら!!ちょっと毒虫逃がしちまって、捕まえるの手伝ってくれ!!」


伊賀崎「コマチー!サチコ二世ー!!ミユキ六世ー!!!」



〜作法委員会〜


立花「会ったことがあるぞ。会話らしい会話はしていないが。あの人は面白い人だ。今までのやつらとは一味も二味も違うな」


綾部「新人ならまず僕の蛸壺に落ちるはずなんだけどねぇ〜おっかしいなぁ〜」


浦風「誰もまともに姿を見たことがないなんて…忍者なんじゃないか?その掃除のお姉さんって」


〜学級委員長委員会〜


鉢屋「掃除のお姉さん?勘右衛門なら知ってるんじゃないか?」


尾浜「掃除のお姉さん?鉢屋なら知ってるんじゃないか?」



〜保健委員会〜


善法寺「あぁ音無さん!知ってるよ。あの人は良い人だよ。少し愛想が悪いけど働き者だし。僕としてはもっとみんなと仲良くなってほしいな」


三反田「遠目で見たことあるけど…なんか黙々と掃除してて、ちょっと怖そう?な感じだったかな。よく分かんない」


川西「掃除のお姉さんなら(ry」



〜ついでに事務員〜


小松田「音無さんは昨日僕の仕事を手伝ってくれて、凄い助かっちゃった!とっても良い人だから、みんな会ったら仲良くしてね〜!」




***


「あんまり参考にならないね…」


集めた情報はあまりにも使えなかった。




つづく

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