Don't think, feel !
□18話
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「今日もまたクソ暑いですねぇ(シャクシャク)」
「鈴くん、女子がそういう言葉を使うのは如何なものかと思うよ(シャクシャク)」
「半兵衛様の言うとおりだ。貴様は口が悪い。刑部もそう思うだろう?(シャクシャク)」
「まァ、可愛いものだがな(シャクシャク)」
シャクシャクシャクシャクうっせぇよと思ったことでしょう。実は今みんなでスイカを食べているのです。夏の風物詩と言えばスイカ!さっきテレビでスイカが特集されててそれを石田さんがキラキラとしたあのハシビロコウのような鋭い目でガン見していたのでついさっき買ってきたのだ。スイカ、うまい。
「スイカうめぇ〜」
「コラ、またそういう言葉を使う」
「あっすみません。なんかもう癖で」
「もっと女子らしく言ったらどうだい?」
「……超美味しい!これなら余裕で食べれちゃ〜う!ウフフ☆オッケー☆」
どうだ。見たか私の女子力を………って竹中さんがまた笑いこらえてるんですけど。まぁ予想はしてたけどね!石田さんなんかゴミ見るみたいな目でこっち見てるし大谷さんに至っては遠慮なく爆笑だよ!ちくしょう笑いすぎてむせろ!
「たまに私は貴様が分からなくなる…」
「分からなくていいです。今のは忘れてください」
「ふふふっ…いやぁ、本当に…君は、ふふっ僕を楽しませてくれ…ふふふふふふっ」
「竹中さん気持ち悪っ!」
「誠愉快なものを見た」
「ちょ、愉快なものって…大谷さん…」
最近竹中さんは私の行動やら発言やらがツボみたいでよく私の一挙一動を見ては笑っている。笑うことは良いことだと思うけど、あんたいい加減にしろと私は言いたい。だってあれ明らか馬鹿にした笑いだからね!大谷さん?あぁ大谷さんはもういいんだよ。諦めた。
四人で食べたスイカも綺麗に皮だけが残り、皿に置かれていた。珍しく石田さんも全部食べたようだ。
皿を片付けるのがなんだか面倒でボーッと昼ドラを見ている。
うん。清々しいほどにドロドロだね。新婚さんなんだからもっと爽やかな関係は作れないものなのか。テーブルを囲んだ武将三人も真剣に昼ドラを見ていた。そんなに面白いだろうか。
石田さんたちにはバラエティー番組やゴールデンタイムの人気ドラマにニュース、大河ドラマまで観せてみたが本人たちが一番気に入ったのはこのお昼にやる独特の雰囲気を持ったドラマ…昼ドラだった。
意外すぎるだろ。金髪蒼目の少女が関西弁を流暢に喋り、ノリツッコミをするくらい意外だ。
『好きです桜子さん!』
『ダメっ私には貴方の上司であり、私の愛する夫が…』
それにしてもこんな典型的なストーリーで視聴率大丈夫なのか?今日び嫁と夫と部下の三角関係って。ありきたりにもほどがある。散々やりつくしたネタだろう。むしろ笑えてくる…。
………わぁ、周りの大人は一人余すことなくみんな真面目に観てたよ。
『そんなの関係ありませんっ僕っ…いや、俺はもう我慢できない…っ』
『あんっいやぁっ』
…おぉ?
『桜子さんっ…』
『あぁっ…やめて…んぅ…』
まさかのラブシーンだとおおおおおお!?
いや、確かに昼ドラには少々やらしい生々しい展開は必要不可欠だけど!小さいころお留守番のときに観た昼ドラの濡れ場シーンは衝撃的だった…ってそんな話じゃなくて!今そういう展開求めてない!気まずいこと山のごとしだよ!ほら周りには武将が……
「…」
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