Don't think, feel !
□13話
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鈴が家を出た少しあと、確かに空の雲行きはますます悪くなっていき雨がポツリポツリと降ってきた。鈴の言った通りにだ。
素晴らしい。
自分がいた時代にもこんなにも正確に天気が分かる技術があれば、天候によって戦の勝敗を左右されることはなくなるだろう。竹中は窓に手をつきそう考えていた。
それにしても、体の調子が著しくないのはこの雨のせいか。竹中はふぅとため息をついた。この世界に来てから発作などは起きていないものも油断はできない。
「鈴くんには悟られないようにしなければね」
この症状を彼女に知られると色々面倒だ。なんだかんだ言いながらも見知らぬ男2人を家に置いてくれる性格の彼女だ。きっと心配するだろう。その気持ちは嬉しいが、同時に鬱陶しかったりもする。
「本当、僕は性格が悪いなぁ。」
「半兵衛様」
「おや、三成くん」
後ろから聞こえた声に反応し、窓から手を離し振り向く。声をかけた石田が持っているのは先ほど鈴が説明したばかりの傘であった。
「その傘がどうかしたのかい?」
「は、これは鈴が朝出したものです」
「知ってるよ。その場にいたからね。なにが言いたいのかな」
「傘が3本、置いてありました」
「だから何が・・・・・・・・・・・あ」
3本。鈴が朝出したのも3本。
もう一度外を見ると雨はザアザアと降っていた。
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