Don't think, feel !
□12話
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校門に着くと2人はすぐに見つかった。
2人がまぁ常人と違うオーラを纏ってるってのもあるんだけど、その前に華やかな先輩たちが雨のなか2人に群がってたからだ。
本来の私なら絶対あんな肉食系な空気には近づかない。今も近づきたくない。でも2人を助けなきゃ…!うちのワンコたちを…!
私はなけなしの勇気を振り絞って先輩達の近くへ進んでいった。
「あの、ちょっといいですかー…」
「ねぇねぇお兄さん達誰待ち?」
「暇ならこれから私達と遊びませんかー?」
「すみません通してもらえませんか…」
「無視しないでくださいよー!」
む、無理だああああああ先輩達強すぎるよ…!!どうやら竹中さん達は受け流してるみたいだけど、ここからじゃ傘が邪魔でよく見えないし…雨降ってるから私は濡れる一方だし…
よーし!
「すみません!通してください!!」
大きい声で言えた!
でも先輩達みんな一斉にこっちを見た。明らか「なにこいつ?」って感じだ。大丈夫。怖くなーい怖くなーい。
すると竹中さんと石田さんが私に気づいたようだ。良かった!
「鈴…」
「何?アンタ一年の癖にさっきからうるさいんだけど!」
「うおぉっ!?」
バチャッ
一人の先輩が私を押した。気を抜いてた私はそれほど強く押されたわけではないが、後ろに倒れてしまった。
つまり水溜まりに尻餅をついてしまったのだ。
「やばっ…」
咄嗟に押した先輩は手を引っ込める。
つーか、どうしよう…スカートもびちょびちょだよ…気持ち悪い…なんで私はこんなめにあってるんだ…
「鈴!」
「い、しだ、さん」
石田さんは気落ちして倒れたままの私に手をさしのべ立たせ、傘をさしてくれた。それだけなのに、何故か異様にホッとした。
「ありがとうございま…」
「貴様らァ…鈴に手をかけてただで済むと思わんことだ…」
「え、ちょ、石田さん…」
何今のセリフ。石田さんがこんなこと言うわけないよ。
もう体はびしょぬれだし頭の中ごちゃごちゃだ。
石田さんの一言とその凄まじく恐ろしい雰囲気に先輩たちは皆黙ったままだ。そんないたたまれない空気を打破するかのように竹中さんがこちらに来ながら口を開いた。
「今回は…僕も三成くんに同意だね。」
「・・・ええぇ!?」
まさかの打破してくれない!?
「この子に酷いことは…今後一切しないように…」
竹中さんが私の肩をつかみながら言いはなった。その言葉が決め手となり、先輩たちは「もう行こう!」と先程までの威勢が嘘のように散らばっていった。
とりあえず…着替えたい。
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