取柄を失った少女

□10章
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「にしても…あの子はすごいよなーこの前といい今日といい」

「あぁ…綾崎さんのことですね」

確かに今日の働きはすごかった

けど

「そう、綾崎!浜野や瀬戸も言ってたけど…サッカー部入る気はないのかなぁ?」

「それは…」

私も一教師として綾崎さんのことは少し聞いていた

「円堂さん、実は…」

「ん?」

「綾崎さんは、運動をすることができないそうなんです」

綾崎凛

職員室では今、ちょっとした話題になってる

「そうなのか!?」

「あぁ、そうなんだよ」

「「!!!」」

突然声が聞こえてきて、振り返ると…

「半田!」
「緑川さん!」

そこには半田さんと緑川さんが立っていた

「よっ!試合、見させてもらったぞ」

「ああ…ありがとな!お前らもベンチ来ればいいのに」

「いやーそれはちょっとまずいかなと思って」

半田さんも緑川さんも
サッカー部への干渉は理事長から制限されている

「まぁ…それもそうですね」

おかしな話だけど

「音無も顧問外されないように気をつけろよー」

「は、はい!頑張ります!」

頑張るって言っても難しいんだけど…

「それで、なんで綾崎は運動が出来ないんだ?」
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