取柄を失った少女

□5章
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ガタッ

気付いたら俺は立っていた

「海士…?」

凛が不思議そうに俺を見る

「先生…」

怒りがこみ上げてくる

「なんだ浜野。なにか言いたいことでもあるのか?」

「あんた、生徒に怪我させそうになったんだぞ!?それもなんも悪くない女子生徒!それなのに謝罪の一言もなくいきなり説教かよ!?」

すると凛が慌てて立ち上がる

「海士…!別にいいよ、私はなんともないし。
それより先生、浜野君に謝ってください!浜野君は先生のせいで背中を怪我したんですよ!?」

「でも俺には非があるよ。それなりの罰があってもおかしくない。
でもこの子はなんもしてねぇだろ!?大体なんだ?自分の身くらい守れって。あんたそれでも男かよ!?」

他のクラスメイトたちは状況が把握できずに少しざわめきだした

栗針は少し驚いていたが、すぐに怒りを顕にし

「あーもう黙れお前ら!!!」

その怒鳴り声でざわめきがぴたっと止む

「話があるならあとで言いに来い!授業をするぞ!」

俺の怒りはますます膨らみ
思わず殴りかかりそうになった

けど
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