取柄を失った少女

□1章
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「えと…あ、ここか。雷門中」

大きなイナズマのマークがついた校舎

雷門中といえばサッカー

今やサッカーは日本において、全ての地位や名誉に関わるもの
日本人で雷門を知らない者はいないだろう

「まぁ、サッカー部なんて関係ないけど…」

サッカーは大好き…だった
でももう今の私にそんなものは関係ない
きっともう二度とサッカーなんてできないのだから

そのまま幾許かそこでぼんやりしていると

キーンコーン

予鈴がなった

時計を見ると8:10
始業は8:15だ

「あ、やばっ」

私は急いで―走りはしなかったけど―職員室へ向かった
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