取柄を失った少女
□1章
2ページ/6ページ
「えと…あ、ここか。雷門中」
大きなイナズマのマークがついた校舎
雷門中といえばサッカー
今やサッカーは日本において、全ての地位や名誉に関わるもの
日本人で雷門を知らない者はいないだろう
「まぁ、サッカー部なんて関係ないけど…」
サッカーは大好き…だった
でももう今の私にそんなものは関係ない
きっともう二度とサッカーなんてできないのだから
そのまま幾許かそこでぼんやりしていると
キーンコーン
予鈴がなった
時計を見ると8:10
始業は8:15だ
「あ、やばっ」
私は急いで―走りはしなかったけど―職員室へ向かった