想いは100年の時を超え
□2章 他者の記憶
1ページ/3ページ
「さぁ、いよいよ最終競技、学年対抗選抜リレーです!」
「千鶴ちゃん!がんばってね!3組全員、いや、1年全員で応援してる!」
「お千ちゃん…うん!がんばる!」
学年対抗リレーでは1・3組から女子、2・4組から男子が一人ずつ出て走ることになってる
そして3組では
私が走ることになってしまったんだ
「君が3組代表?」
突然声をかけられ、驚いて振り返ると
そこにはなんとなく私と似た顔立ちの男の子が立っていた
「あ、はい!雪む…」
「僕は2組代表の南雲薫だ。バトン、落としたりしたら承知しないからね」
「え、あ、はい。よろしく、ね?南雲君」
「ふん…お前、ホントに足速いの?信じられないね」
ホントに足速いの?
その言葉がグサっと胸に突き刺さる
本当は晶子ちゃんが走るはずだったけど、今日風邪で来られなくなっちゃった
そう
私は代理なんだよね…
「ちょっと、南雲薫!そんな風に言うことないんじゃないの!?千鶴ちゃんがか わいそうじゃ…」
「いいの!」
「千鶴ちゃん…」
「私は大丈夫だよ」
無理に笑顔を作ると、私はそこから逃げ出した