その他 短編/中編
□青春の秋桜
1ページ/7ページ
箸が転げてもおかしい年頃
私もそんな年齢を迎えていた
が、そのようなくだらない現象に興味はない
同輩たちは年頃らしく逐一黄色い笑い声を上げ
その声は寝不足の私の頭を直撃する
迷惑極まりない
私は同輩たちに恨めしい視線を送りながら外に出た
「ぁ…」
一歩足を踏み出せば
その先には秋桜の群
それはどこか同輩たちに似ていた
茎は脆いくせに
必死に華やかに取り繕う姿
そしてその向こうに見つけた
一輪の秋桜
飛び火したらしいそれはどこか私に似ていた
強気な花を脆い茎で支える姿