取柄を失った少女
□16章
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放課後
部活はあったけど、もう流石に耐えられない
時間が経つにつれて再び不安が大きくなってくのを感じていた
「神童!」
「ん?なんだ浜野?」
「悪い、今日部活休むわ。じゃっ!」
「え、おい、浜野!?」
驚く神童を振り返りもせずに走る
その途中
「浜野!」
今度は緑川先生に呼び止められた
「なんすか!?」
「これ!綾崎の病室番号だ」
「!ありがとうございます!」
「早く行ってやれよ!」
緑川先生の声を背に受けながら、俺は走る
今なら速水と競争しても負ける気がしない
早く…速く…!