取柄を失った少女
□14章
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浜野side
凛は屋上を出ていってしまった
追いかけなきゃ
そう思ったのに
凛の背中に拒絶されてるような気がして…
俺は動けなかった
「ちゅーか俺、かっこわりぃな…」
凛はずっと悩んでたんだな…
1人で抱え込んで
俺はなんも知らなくて
そして凛を傷つけた
気付いたら俺の目からも涙が溢れていた
「ごめんな…凛」
何分そうしていたんだろう
しばらくして、速水がやってきた
「浜野君!やっぱりここにいたんですね…ヤバいですよ、栗針に殺されますよ!ってあれ?綾崎さんは…?って浜野君!?」
「ん?どしたの速水。授業は?」
俺は涙を拭って振り返る