取柄を失った少女
□12章
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サッカー場に戻ってくると
「凛!大丈夫!?」
海士が血相変えて駆け寄ってきた
「大丈夫だよ。それより練習は…?」
「剣城と凛が口論始めたから、どうしたのかと思って聞いてたんだよ。そしたら凛が剣城に連れてかれちゃうからヤバいと思って…」
「それで浜野君が追いかけようとするから…止めんの大変でしたよ」
「そっか…ごめんなさい、迷惑かけちゃって」
「綾崎、お前、剣城とはどういう関係なんだ?フィフスセクターのこと、なんか知ってるみたいだが」
そう聞いてきたのはキャプテンの神童君だ
…まずい。この状況はかなりまずい。ひょっとして私、疑われてるんじゃ…
俯いて黙っていると
「…まぁいいんじゃね?なんでも」
沈黙を破ってそう言った海士
「凛が剣城やフィフスとどーゆー関係かしらないけどさ。凛がフィフスのこと馬鹿げてるっちゅーの2回も聞いたし。それだけわかってりゃ問題ないんじゃね?」
海士…
「まぁそうだな。綾崎を疑う必要はなさそうだ」
倉間君…
「な?剣城やフィフスのことは…そのうち聞かせてくれればいいよ」
「ありがとう…」
「その代わり!なんかあったら絶対言えよな!約束!」
海士はぱっと笑顔を咲かせて
私の頭をなでた