取柄を失った少女

□11章
1ページ/8ページ

そして放課後

不安と楽しみの入り混じった複雑な気持ちでサッカー棟へ向かう

中に入らずオロオロしてると

「あ、綾崎さん!どうぞ入って!」

音無先生が声をかけてくれた

「緊張してるの?」

私は苦笑いを浮かべた

「はい…と言うか、瀬戸さんや浜野君には選手で入ることを推されていたので…なんて言っていいかわかんなくて」

私だって本当はサッカーしたいって
そう言えたら楽なのかもしれないけど

「そうね…理由を話すのはやっぱり辛いわよね?」

「はい…すみません」

やっぱりまだ言えない

言ってしまったらそれこそ
可能性を否定することになってしまうような気がして

「いいえ、ごめんなさいね。まぁなるべく助け舟を出せるように頑張るから、綾崎さんも頑張って!」

「…はい!ありがとうございます!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ