ホントの自分
□7章
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「華蓮!」
「どこ行くんだよ!?」
「なんかあったのか?顔真っ青だぞ?」
みんなに止められる
「っ離して!ここにいたら…!」
見られるわけにはいかない
知られるわけにはいかないのに…!
その時
ばたんと大きな音をたてて屋上の扉が開く
そこには…息を切らした吟田さんが立っていた
「ハァッハァッ…KAREN…僕のKAREN…」
「…誰だよ?」
「篠宮の知り合い…?」
私は微かに後ずさった
「さぁKAREN、こっちにおいで?わかるだろ?君はどちらにしろもう店にはいられない。あとは店に迷惑をかけるか自分で片付けるか。それだけだよ?」
そうだ
告発されればどっちみちホステスは続けられない
私が行けば…店に迷惑はかからない
KAIJIもなにもされない
行かない手はないじゃない…
私は恐る恐る足を踏み出した