取り戻した先に
□1章
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昼休み。
「凛!お昼食べよ!」
鐘が鳴ると真っ先に海士が私のところに来てくれる。
「作ってきてくれた?」
「うん、もちろん!」
つきあい始めてから、お弁当は私が2人分作ることにした。
どっちみち作らなきゃいけないなら2人分でもあんまりかわらないし
それに
「ちゅーか今日からあげはいってんじゃん!やった!」
海士が嬉しそうに食べてくれるから
私もがんばりたくなっちゃうんだ。
「んで、久しぶりのイタリアはどうだった?」
「あぁ…うん!楽しかったよ!ただ…」
久しぶりのイタリアは
私の知ってるイタリアとは大分違ってた。
「どうかしたの?」
「ううん、なにかってことはないんだけど…なんか政治とかがこじれてるみたいで」
なんとなく空気がピリピリしてた。
「そうなんだ?ちゅーかあんまニュースとかなってないけど」
「ね。日本帰ってきたら全然でびっくりしちゃった」
なにもないといいんだけど…
「でもいいなぁイタリア!ちゅーか俺も行ってみたい!」
「今度一緒に行こうよ!」
向こうの友達にも彼氏を連れてこいって言われた。
「ああ!ちゅーか約束だかんね!」
海士とイタリア…
想像してにやけてしまう。
きっとすごく楽しい旅になる。