その他 短編/中編

□青春の秋桜
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「秋桜の茎はね、確かに頼りなく見える」

春は言った

「だけど本当はとっても強い花なんだ。
強靭な繁殖力と生命力で必死に綺麗な花を咲かせる。
そういう素敵な花なんだよ」

それじゃ私とは似てないな

そう思った私の心を見透かすように春は続けた

「似てるよ、梓は」

「え…?」

「梓は秋桜に似てる」

嬉しかったんだ

彼が褒めてくれたってことも
生まれて初めて花に似てるといわれたことも
春の目が優しかったことも

いつだったか春―私の青春の言った言葉を握りしめ

私は輝きに満ちた青春の日々に

一歩

足を踏み入れた―
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