その他 短編/中編
□青春の秋桜
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ある日
いつも通り向かったそこに春の姿はなくて
かわりに見覚えのある少女がいた
「あれ、相良さん。ひょっとして最近この子たちに水やってくれていたのは相良さんかな?」
名前はなんだっただろう?
確か同じクラスだった
「花は好き?」
「別に…でも…秋桜は好きだ」
そういったら嬉しそうに笑う彼女
それから顔見知りの彼女と他愛もない話をした
そして
くだらないことで笑った自分に気付いた
驚きしかなかった
私…笑うのか
こんなことで
そして彼女がいなくなると同時
「やぁ、梓」
現れた春
音もなく
突然に
その顔は真っ青だった
体調でも悪いのだろうか
声をかけたほうがいいのか?
だけどいざ言おうと口を開くと
そんな簡単なことも
なぜか言うことができなくて
結局そのまま家に帰った