取柄を失った少女
□8章
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「え…?」
「凛さ、なんか悩んでない?」
「っ…!?」
どうして
「図星っぽいね!」
なんでわかったんだろう…!?
まさか海士がこんなに鋭いなんて…
「話してみてよ。俺、1日中悩んでる凛のこと見てんのやだからさ」
「それは…」
どうしよう
「悩んでない」って言っても信じてもらえなそうだし…
私が押し黙ってると
「…俺には言えないことなら別にいいけどさ」
ちょっとだけ海士が拗ねてるように見えた
どうしよう…
せっかくこう言ってくれたんだし…どっちみちサッカー部の人にききたいと思ってたんだから…
私は意を決して口を開く
「あのね!私、海士にききたいことがあるんだけど…」
「うん?なに?」
「えと…その…」
なんてきいたらいいんだろう?
海士は私が話しだすのを待ってる
もうきくしかない