取柄を失った少女
□8章
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「君は昨日、聖帝とお会いしたそうだね」
「！！！」
フィフスセクターの話？
でもなんで…！？
「会いましたけど…それがなにか？」
「君はその話を承諾していないとか。そうですね？」
「はい…サッカーを管理するなんておかしいと思います」
「ふむ…しかしだね。今の中学サッカーには管理が必要だ。そうでなくては学校間の秩序がどんどん崩れていってしまう」
…それは確かに否定できないかもしれない
でも、もしそうならば
それ自体が間違ってるんだ
「とにかく君には、我が校全体のためにもフィフスセクターに入ってほしいのだよ」
「そんな…！」
「聖帝も、そうすれば君をまた歌えるようにしてくださると言っているのだろう？とてもいい話ではないか」
「それは…そうですけど」
「サッカーの管理は、確かに少し違和感があるかもしれないがね。実際は素晴らしいものだ。君にもすぐにわかるだろう」
そんなわけない
勝ち負けが最初から決まったスポーツが楽しいわけないのに…！
でも…強く言い返すことができなかった
歌えるようになるなら…そう思う自分が確かにいる
自分の弱さが嫌だった
「まぁとにかくこちらからの話は以上だ。フィフスセクターに入ればいいことずくめだ。是非入ってくれたまえ」
話が終わり、私は部屋を後にした
心が激しく揺れ動く
私はどうすればいいの？