会話集

会話集
屍鬼、敏夫、静信、夏野
その他いろいろ
短めの会話のみ
ギャグ要素あり
主人公として名前変換ナシの夢ヒロインも出ます
扱いの酷い人多数
さらっと読めるものを書きます
◆呪い 




誰もいない保健室で時間を潰す。
保健室の先生は用事があるとかでどこかへ行ってしまった。
一人椅子に座り込んでぼんやりとしていた。
体育はさぼった。
よくあることだ。

サッカーだっていうから。
だからやめた。
別にサッカーが嫌いとかではない。
ダブルスでもやらなかっただろう。

運動神経が悪いからじゃない。



ただ血を見るのが怖いからだ。



ベッドに入ろうかと思ったが、なぜかこのときそうする気にはなれなかった。
特に意味はなかったと思う。
ただ何となくそう思ったのだ。


することもなく所在無げに一人ぼんやりと天井を見つめていたそのときに突然なんの気配もなく保健室の扉が開いた。

なんとなく予感のようなものがして不味い、とはっきりそう思ったが遅かった。


一つ上の学年の先輩が保健室に入って来た。
微かに鉄の匂いがして私は血の気を引かせていた。


「…せ、先生ならいないですよ」


「…そう。まぁ別にいいよ。適当に手当するから」


彼は制服だった。
どうしてか怪我などしてしまったらしかった。
でも体育だったとかではないらしい。

2012/07/31(Tue) 17:24 

◆近くに 





壁を背凭れに座る彼女。
そっと壁に手を付いて見下ろせば微かに驚いたようにして赤くさせた顔を上げる。

揺れる瞳を見ていると吸い込まれるように感じておかしかった。


「ち、近いってば、夏野」


「…そう」


それは当たり前だと思った。
近付きたくてこうしているのだから。

迫りたくてこうして詰め寄る。
別に苛めたいわけではなかったけれど、余計なこともしたくなるというもの。


「離れてって、夏野…!ち、近い!」


「いや」


「いやって…何子どもみたいなこと…
恥ずかしいってば」


目を伏せてしまう。
目を逸らされてしまう。

背けられた顔を、顎に手を触れて上げさせる。


「ちゃんと俺を見ろよ」


「な、なに…夏野…」


そっと顔を上げさせればさらに頬は赤く染まり上がる。

おかしかった。
その緊張が触れた箇所から伝わるかのようだったから。


その瞳を覗き込めば黒目には自分が真っ直ぐに写っていて、そのことに気分をよくする。


屈むようにすれば観念したようにしながらそっと目を瞑る。


頬をするりと撫でて、固定する。


そのまま顔を近付けて唇を近付けると、彼女の唇に柔らかく重ね合わせていた。


数秒間重ね合わせて、離れ際、ぺろりと彼女の唇を舐める。


弾かれたように目を開くのが分かって、少し怒るようにしているのが分かった。


だから笑ってしまっていた。
笑いながらその背中に手を回して思い切り抱き上げていた。


「も、もう…夏野…何するのよ…」


「……悪い」


謝る気などなかったけれど。
悪いことをしたとも思っていないけれど。

背中に手を回されるのが分かってそれが嬉しかった。


「夏野、好きだよ」


「…俺も」


そう返事を返していた。

回した腕に力を籠めて、失えない存在を閉じ込めていた。

2012/06/21(Thu) 08:09 

◆夏野くん 





距離感◆




たぶん自分のことが好きなのだろうな、と自惚れにも近いことを思っていた。


目が合えば顔を赤くして目を伏せる。

名前を何気なくも呼べば嬉しそうに自分の方に駆け寄ってくる。


何だか小型犬を思わせた。

だからそのとき思わず頭にぽんと手を置けば、本気で驚かれていた。


「ゆ、ゆ、結城くん!?」


「……ああ、悪いな」


そのまま手を離せば、彼女は頭を何度も振っていた。
とても嬉しそうに。

どこまでも素直な反応。


「わ、悪くない、悪くないよ、結城くん、むしろ…
もっとお願いします…っ」


そんな風に言われて思わず笑ってしまっていた。

くしゃくしゃと彼女の頭を掻き乱すようにすれば本当に髪はぼさぼさになってしまっていた。


「…あーあ」


「えっ?」


彼女はどこまでも嬉しそうに頬を緩めているから、おかしくて堪らない。

髪は乱されたまま本当に小型犬みたいに。

あっちこっちに跳ね回る柔らかな髪。


素直に可愛いな、とそう思った。

こんな風に懐かれるのは、本当なら鬱陶しいはずだったが、彼女に関してはそうも感じなかった。


むしろもっと傍まで引き寄せたくなる。
ギリギリの場所まで、招きたくなる。


自分の領域へ。

再度頭にぽんと手を置く。
彼女はその感触にか身を竦ませる。

自分より背は低いから見上げられる形になる。
それを見下ろしながら。


「…俺、あんたのことが好きみたいだ」


次は乱すのではなく、整えるようにその細い髪に触れて直す。

一気に真っ赤に染まった顔を見てやっぱりおかしくなった。


どうしてこんなに分かりやすいのだろう。


全部筒抜け。



だからその後泣かれてしまうなんて本当に思いもしなかった。

焦ったのは言うまでもなかったが、これが本当に自惚れだったのかもしれないと、そのことを一番に考えてしまった。

2012/06/06(Wed) 04:43 

◆to you 




ここで会えたのが、それが偶然だというのなら。

それはそれで構わない。

それでも私にとっては特別なことでした。

とても大切な想いを知って死ねることは幸せなことだと、そう思えた。



ここが私の与えられた死に場所なのだと、そう思えた。


最期くらいは護らせて。


好きになって、私が殺してしまったあなたの想いのまま、護らせて。

それが自分の与えられた最期だと思うと、どうしようもなく満足してしまうから。

2012/04/27(Fri) 23:04 

◆to you 




この生を終えるにはどうすればいい?

そう思ったまま私は生きてきて、そして、また再び巡り合った。


奇跡だと確かに思って、溢れてくる感情をどうすることもできなかった。


ここで、きっと呪い全てを解消すれば、大事な皆が幸せになれるような、そんな気がした。


私一人がそれを全て背負うから。


もう大丈夫。


その罪は全て私が持っていく。


だから、大切なあの子を私がいなくなった後もきっと守ってあげて。


そのために貴方にあの子を託したんです。


会わせたんです。


私にとっての希望。

そしてあなたにとっても希望だったはず。


私とあなたは同じ存在だったのだから。


それがとても嬉しいことなのだと。


だからこの身を不幸だとは思いません。

むしろ背負えるならそれがいいんです。

2012/04/27(Fri) 23:00 

◆to you 




私にあの化け物を完全に否定しきれないのもまた事実だった。


そんなことを口にしたことはない。

きっとこの先そんなことを口にすることもなく、私は否定し切ってみせる。


そしてそんな男がいたのだと、確かにいつか思い出せて、私が最も大切に想う者が傍にいて生きてくれれば、それでいい。


それが望むべき道だと私は信じている。


そのまま終えられることを確かに望んでいるはずだった。

2012/04/27(Fri) 22:52 

◆to you 




どうして、ってきっと思っているんだと思う。


それも分かるよ。


だって、私が好きなのは違う人だったんだから。

そのことはあんたもよく知っている話。


でも、やっぱり好きだなんて言われると、心は揺らいでしまう。


簡単に、なんて思うんだろうね。


でも、そうじゃない。


それはたぶんあんたが本気だったからだよ、きっと。


嬉しいと思った。


応えたいと思った。


どうしようもなく胸が熱くなった。

どうしてそう思うのか分からなかったけれど、この胸の高鳴りは嘘じゃない。



今はまだ、その想いになんて名前を付けていいのかは分からなかったけれど、でも、こうなったことを私が後悔していないのは、本当。


だから傷付いたような顔をしないで。


一人で傷付かないで。


私はそんなことのために、応えようと思ったんじゃないから。

2012/04/27(Fri) 04:16 

◆to you 




貴方は私の光でした。


だから人ではなくともそれを否定できなかった。


むしろ、綺麗だ、そんな風にすら思っていた。


いつかここから連れ出してくれる。

そんな風に思って。


たぶん貴方が好きなんだと、そう思います。

2012/04/27(Fri) 04:10 

◆to you 




空には美しく星が瞬く。


残酷だ。


世界はこんなにも美しいのに、自分はこんなにも醜いなんて。


それを許したのは、誰。


こんな悪夢は私で終わりにしてくれて構わないから。


だから、ここで、もう。


希望なんて見せないで。

2012/04/27(Fri) 04:05 

◆to you 




貴女を見た瞬間から、欲しい、素直にそう思った。


だから奪うことにした。


強くてどうしようもない貴女に心から惹かれてしまった。

2012/04/27(Fri) 04:02 

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