Tatsumi Dream

□来世でまた
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「おかえり、辰巳〜」

早朝。
シャワーを終え部屋に戻るとベッドの端に麗奈が座っていた。

何となくため息が出た。

麗奈は首を傾げている。


「お疲れだね」


「まぁね」


それだけ言って辰巳もベッドに座る。

麗奈を見れば極端に薄着だ。

短いスカートに薄手のシャツ。
上はシャツ一枚で下着は着けていなさそうだ。

空腹を感じる。


「今日は1日だよ」

「そうだったな」

「さぁ召し上がれ」


麗奈はそう言って辰巳の膝の上に跨って向かい合う。

彼女は人間で、そして毎月1日に吸血していた。

忘れていたわけではなく、そのために今自分は血を取らず空腹状態だったのだ。

膝の上に座られて煽られては我慢ができない。

その首筋に早く食らい付きたい衝動を抑えられず目の色が赤く変わるのが分かる。


「駄目だよ、先にやること…っ」


何も言わせないまま辰巳は噛み付くように麗奈に口付ける。

麗奈は吸血を受ける時同時に抱かれたがる。

恋愛ごっこなのだと思う。

人間のままここにいることを許されている。
それと同時に普通の人間の人生は奪われている。

代わりに男の体の自分を恋愛ごっこの対象に選ぶしかなかったのだろう。

正志郎は人間だから屍鬼である千鶴にしか興味がない。


本当は先に噛み付き血が欲しい。
でも彼女は先に恋愛ごっこを楽しみたい。

だから先にキスをする。
そうしないと嫌がるから。


少々乱暴だったかと思いながら口内に舌を差し入れて掻き回す。

唇を離して顔を見下ろせば自分の膝の上で跨ったまま蕩けたような表情で見上げてくる。


「大好き、辰巳」


そう言って自然に抱き着いてくる。

可愛らしいとは思う。
こんなに真っ直ぐに素直に慕われればそう思うしかない。

胸に小さく収まる体を優しく抱き締めて頭を撫でる。


「僕も好きだよ」


そう返せば麗奈は嬉しそうに辰巳の胸に頬を寄せる。

噛み付きたい。
彼女の細くて白いその首筋に。


「気持ち良くして、辰巳」
 

そう言って体を離して見上げてくる。
まだ食欲は満たせなくて辰巳は苦笑を溢す。
仕方なく麗奈の服に指を掛けてボタンを一つ一つ外す。

麗奈はじっとその様子を見ている。

案の定下着はつけていなくてそのままするりと脱がせれば肌が露わになる。


下には短いスカートを履いているだけ。

抱かれるためにここに来たのだろう。
モノ好きだなと思いながら、辰巳は麗奈の丸い二つの胸の膨らみに包み込むように両の掌で触れた。
吸い付くようにしっとりとした肌は柔らかく触り心地がいい。

ゆっくりと揉んでやると麗奈は唇を薄く開いてその様子を見下ろしている。

恥ずかしげもなく慣れた様子で快楽を待ち望んでいる。

揉むだけでは刺激が弱いはずで、辰巳は何度か揉んだ後に胸の先の突起に指先で突くように触れる。
それだけで麗奈はあっと声を漏らして甘い吐息を溢す。
素直なそんな反応に辰巳は笑んだ。

胸の尖端を指先で摘んだり弾くようにして刺激を与える。
それだけで感じ入った声で切なく啼く。

段々と先端は膨らんでツンと尖り立つ。


彼女は自分達の保護下にあって他の世界を知らない。
普通の人間としての生き方を知ることがなかったから視野が極端に狭くなっている。

自分達がいなくなれば生きることも難しくなるかもしれない。
そうやって生きる術をなくしてきたのだと理解している。

いずれは殺してあげないといけないのかもしれない。
自分達のそばにいることが絶対的に安全とは言い切れないから。

殺すか生きる術を与えるか。

彼女はほぼ起き上がることはない。

親族が起き上がることはなかったからほとんど確定している。
それは彼女も理解している。

だからこうして人間として生かされている。

気の毒だと思う。
そう思いながらそっと体を抱き締めて、ベッドの上に横たえた。

体は熱を帯びている。

覆いかぶさって上から見下ろす。

期待に満ちた瞳。


麗奈は微かに笑って、手を伸ばす。


「目が、赤いよ、辰巳。
もう、噛んでもいいよ」


辰巳は麗奈の首筋に唇を寄せる。


「綺麗な目だね」


麗奈はそう言いながら辰巳の頭を優しく撫でる。
恐怖心はまるでない。

ひと噛みで殺すことだって出来なくはないのに。


噛んでもいいと言われると勿体無く感じて辰巳は噛むのを止める。
麗奈は一瞬驚いたように顔を上げる。


「辰巳?」


「まだ大丈夫」


そう言って辰巳は麗奈の胸元に顔を近付ける。

胸の膨らみの頂に唇を寄せて舌を這わせる。
体をビクッと揺らして反応を返す。

片方を手のひらで包んで頂点を指で転がす。

強く吸い付いて舌を絡ませて甘噛みをした。



乳首を舐め強く吸い付きながら、ゆっくりと足をひらかせ、下着に手をかける。
するりと滑らせて足を抜いて脱がせる。
下着にはしっとりと水分を含んでいる。

足を十分に開かせて中を覗く。

しっかりすぎるほどに湿っておりぬるりと粘液が溢れる。


「そんな、見ないで…」

流石に恥ずかしそうにそう溢す麗奈を見て辰巳は唇を弧に描く。

「まだここは触ってないのにすごく濡れてる」


「言わないで」


「気持ちよかった?」


こくりと麗奈は頷いた。

そっと下腹部を指先でなぞり、割れ目に到達して蜜の溢れる入り口をぬるぬると往復させて刺激する。


「もう何もしなくても挿れられそうだね」


「ん、だめ、まだ入れないで。
辰巳の大きいから、先に指で慣らして…」


言われるまま濡れた入口に指を滑り込ませる。
入口に近い突起に蜜を塗りつけながら、指を奥深くに潜らせる。

抵抗なくするりと飲み込まれる。
中は狭くて熱くてぬるぬるとしている。

女体というのは不思議だなと思いながらゆっくりと刺激を与える。

##NAME1#は腰を浮かせながら耐えられなくなると甘い息を吐いて声を漏らす。

指を出し入れしながら指の本数を増やす。
どれだけ快楽を与えても中は狭いままぎゅうぎゅうと辰巳の指を締め付ける。

月に一度しかこうして体を重ねていない。

もっと回数を増やせれば体も慣れてくるのかもしれないが、麗奈の負担も増やすかもしれない。

本来の意義である生殖行為からは逸脱している。
快楽のためだけだ。

人間ではない自分には意味のない行為。

求められるまましているようで自分も楽しんでいる。

そもそもこういうことをするきっかけになったのは自分だ。
自分から誘った。

麗奈の立場上断れないことを知っていた。

辰巳は手早く衣服を脱ぎ捨て、麗奈に覆い被さる。
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