Toshio's ROOM

□fall into
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そうして別れてから、夜も漸く更けた頃に先生はやって来る。

確かに何時もより早い時間帯かもしれない。

玄関入ってすぐ、部屋に通そうとする前に腕を掴まれて後ろから力強く抱き寄せられる。

何もかもが珍しい雰囲気で、少し朱音は驚いたように身体を硬らせる。

ゆっくり顔だけ振り返ると、そのまま唇を押さえ付けられてキスをされる。
頭も手で押さえられて、舌を隙間から差し込まれて咥内を掻き回される。
すぐに舌を探り当てられ、絡ませられて吸い付いたり、甘噛みされたりすれば、だらしなく溢れた唾液が洩れる。

そのままの体勢でキスをしながら、服の中に手を差し込まれて下着をズラされ、胸の1番敏感な部分を晒される。

そっと指先で胸の先端に触れられて、声が堪らず漏れる。
与えられる刺激のせいで、まともに立っていられなくなって力が抜けていく感じがあるが、腰に手を回されて力強く支えられているのが分かる。

唇を離されて漸く話せるようになって大きく息を吐いて何とか声を出す。


「先生、ベッドで」


「そうだな」


なんて同意するように答えるのに、手の動きは止まらなくて、体中を探るように弄られる。

それをなんとか宥め賺しながらベッドへ連れて行くと、先生はもう服を脱ぎ始めている。


ベットの真ん中の方に追いやられながら、朱音も自分の服に手を掛けて1枚1枚脱いでいく。


その様子をじっと見られているのが分かるから、指先が恥ずかしさで小さく震えそうになるのが分かる。

そのまま全部脱ぎ終えると座ったままの自分に覆いかぶさるようにして、また貪るようなキスをされる。
頬に触れられ、頭は固定されていて逃れようもない。

煽るように腰を撫でられると気持ち良さで体が浮いてしまう。

そのままゆっくり体中を先生の指が滑っていくと、至る所が敏感になっていくようで声が出てしまう。

もっと気持ち良くなりたくて、目で訴えるように先生を見る。
強い刺激を与えて欲しい。触って欲しいところにはまだ触れられていない。

小さく笑う先生が見えるが、そのまま目を瞑って望むまま与えられる刺激に集中する。

キスをされて舌を懸命に絡ませて答えるようにしながら、漸く両胸をやわやわと揉まれるのが分かる。

強く揉みしだかれるだけで気持ちがいい。

胸の先端を指の間に挟まれて刺激を与えられたり、掌で先を転がされると堪らなく甘ったるい声が漏れる。

もっとして欲しくて、快楽に溺れてしまいたくて、何度も先生と呼んだ。

何度も胸を愛撫されて、朱音の最奥が濡れてきて潤ってくる。

胸の尖を口に含まれて、舌で湿らされて転がされる。

どんどん自分の中から蜜が溢れてきてシーツを汚す。

するりと指が滑らされて体の表面を滑って、太腿を撫でられる。
1番触れて欲しいところに近付いて行くのが分かって、快楽を思い出して体が小さく震えた。

胸の愛撫も収まらないままに、そっと割れ目に指を滑らされて身体がビクリと震えた。
突起を指先で突かれて、声が漏れる。
指で優しく摘まれて緩やかに刺激が与えられる。
蜜を塗り付けられるように指の腹で捏ねられる。
気持ち良くて堪らなく、先生の体にしがみ付いて懸命に耐える。


「せんせい、もう、わたし…」


快楽の波の合間に漸くそれだけ言う。
そしてまた刺激に合わせて意味のある言葉を紡げなくなる。
嬌声を上げるだけでいっぱいになる。

そっと指が割れ目を押し込まれていくのが分かる。

先生の指を簡単に奥の方まで飲み込んでいくのが分かって、それを感じるのが恥ずかしいのに気持ち良くて堪らない。

胸の尖を口に含まれてもう片方は指で摘まれ、そして突起に親指を擦り付けられるながら膣は指を出し入れされている。

おかしくなりそうなくらいに刺激を与えられて、自ら大きく足を広げて快楽を貪っている。

指を増やされて中に入れられて圧迫感が増す。
中で指を動かされるとまた違う感覚が与えられて、声を上げる。

何度も繰り返し強い刺激を与えられ続けると、弾けるように頭の中が快楽でいっぱいになる。

ぐったりと疲労感が増したところで、先生の動きは止まる。


「イったな」


恥ずかしい言葉を言われても、息が荒くなっていて呼吸することに専念するしかない。
脈も速くなっていてドキドキが収まりそうとない。

先生が耳元に唇を近付けて、耳朶を甘く噛んだ。
そんな刺激だけでどうしようもなく声が漏れて、先生が笑っているのが分かる。
先生の頭に手を回して掻き抱く。


蜜壺には先生のものが当たっていて、自ら足を大きく広げる。


まだ終わった訳じゃなくて。
ぐっと膣壁を押し広げて中に侵入して行くのが分かる。

また迫り上がってくる快楽に朱音は腰を浮かせる。

先生が腰に手を回して持ち上げるのが分かった。

そのまま一気に貫かれると全身痺れるようにして、何とも言えず甘い声が洩れた。

腰を打ち付けられている。
それだけでまた絶頂に登り詰めてしまいそうになる。


「…は……朱音、
そんな締め付けるな、保たなくなる」


先生の動きが止まって抱き締められながらそんな余裕のないことを言われて、


「そ、んなこと…」


今はもうただただ気持ち良くてどうしていいのか分からない。
先生が苦笑するように笑うのが分かる。

もうコントロールしようもない。

足を掴まれて先生は腰を強く何度も打ち付ける。

体が強く揺さぶられて、快感を断続的に与えられ続ける。

先生が自分にしがみ付いてきて、更に動きが激しくなる。
自分からももう先生にしがみ付いて耐えるしかなくて、体に触れて分かる熱さもその脈の速さも全部が愛おしい。
汗の匂い、それすら。

そのまま先生が果てたのが分かる。
中がドクドクとして押し広げられるのが分かる。
その間も打ち付けられるように、中へ。

先生の動きが止まってもまだビクビクとしている。

それが体の中で分かることが嬉しい。



漸く抜かれるのが分かって体を小さく揺らす。
体中が敏感になる。

そのままぐったりとベッドに横たわる。
体がひどく重くて余韻の中へ沈んでいく。

はぁと息を吐く。漸く心音が落ち着いてきているのが分かる。

先生も隣に横たわっていた。そっと手を伸ばして、触れる。暖かさに触れたくて。



「…せんせい、私、もう、なんかこうするの、
嵌っちゃって…やめられそうもない…」


どうしよう、とそれだけを言って目を瞑る。
優しく頭が撫でられるのが分かって更に微睡に落ちていく。

多分もうこのまま眠ってしまう。
抗えなく深みに嵌っていくのがわかるが、どうしようもない。


「俺もだ」


それだけが聞こえて、朱音は何か答えたい気持ちにはなるが、もう目が開けなくなって、意識を落とした。



先生が何かを抱えて生きていて、脇役になるとしてもそれに関われるのならそれはきっと幸せなことだと思う。










朱音が目を覚ますと、隣には誰もいなくて、慌てて体を起こす。
深く眠ってしまっていた。
外はまだ暗いから夜は明けていない。

先生の気配がどこにもなくて、朱音は服を拾うと身に付けて辺りを見回す。


「先生」


そう声を掛けても返事がない。

リビングに行くと電気は付いている。


先生に置いて行かれたのか、とどさりとソファに座り込む。

するとカラリとベランダの扉が開いて、朱音は飛び上がる。


「あ、先生…」


「起きたのか。どうした」


そう言って先生は驚いたようにしているから、そのまま自分から駆け寄って抱き付いた。

先生はちゃんと受け止めてくれる。
泣きそうになっていたのを何とか堪えた。


「夢でも見たのか」


「…違いますよ…もう、帰ったのかと思いました。
様子がいつもと違っていたから、心配で…」


「悪い悪い、煙草吸ってた」


「はい、分かります、煙草臭いので」


朱音は拗ねるようにそう言って体を離して溜息を吐く。

先生はいつもと変わらなさそうに見えたから、もうそれでよかった。


「珈琲淹れますか」


朱音はそう言って立ち上がる。
湯を沸かして、珈琲の豆は挽いたものはあっただろうか、と考えていると、そのまま手を引かれる。


「いいから。ここに座ってろ」


そう言ってソファに座らせられる。
鼻腔を擽る香りがする。煙草の匂いだ。

煙草の匂いなど全然好きではなかったはずなのに、この人の匂いなのだと思うとまた違った感情を覚える。

暫く黙ったままでいる。
沈黙が居心地悪くてテレビを付ける。

きっともう直ぐ帰ってしまうんだろう。












「悪いな、結局こんな風に関わらせることになって」


そんな風に言われて仕舞うとこのままでは重荷になっていくかもしれない、と朱音は思った。


「そんな、私から始めたことなので」


「村に何の縁もない、そんな君だからこの村に俺は呼んだんだろうな。
君は何も知らないからこそ、よかった。
村にしがらみを持つことがない」


それでは何も知るな、立ち入るな、と言われているようで。


「そう、なんですか」


そのまま抱き寄せられる。
癒されたい、そして何者にも立ち入られたくはない。

だから何も知らない村の外の人間で都合がよかった。

そう言われているようで。


でもこのまま過ごせば村とは無関係と言い切れるのだろうか。


事情を知ってしまい、そこには触れてはならないと自戒する。


出来なくもない。


こうやって好きな人に抱かれるのはきっと幸せなことだ。

そう思うから。
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