Toshio's ROOM

□first night
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二度寝して目覚めれば今日は仕事で朱音は急いで出勤していた。


敏夫ももう顔を出している。

少し眠たそうなのが気になった。

それもそうだろう、自分も眠いのだから、彼はもっと眠いだろう。


他のスタッフが離れた時に朱音は空かさず敏夫の傍に寄り、自然な風に会話をする。


「大丈夫ですか?」


「ああ、ちょっと眠いだけだ」


そう言って敏夫は一つ欠伸を噛み殺す。その様子を見て朱音は微かに笑う。

それには何となく決まりが悪いのか敏夫は顔を顰めた。


「あの、本当にありがとうございました、
楽しかったです。
そのあとも…」


朱音は少し照れたように笑う。
ほんの少し前のように思って、思い出せばなんとなく気恥ずかしく照れ臭い。

敏夫もそうなのか口元を覆う。
そして少し考える風にする。
彼の方もそんなつもりはもちろんなかったのだろう。
困らせているのが朱音には分かった。


「また飲みに連れてってくださいね」


朱音はこそっとそう言って敏夫のそばを離れて振り返って笑顔を溢す。


「2人は勘弁してくれ」


そんな風に言われて朱音は少し傷付いていた。

やはりこれで終わりなんだなと思うと切ないように思う。

そう思っていることを気が付かれないように朱音は笑うことにした。
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