Short
□番外編 その一
2ページ/4ページ
ある日、僕たちは裏山へ遊びに行った。
少しでも元気を出してもらおうといのと一生懸命計画を立てた。
「綺麗な花が生えてるところがあるの!」
「景色がよく見えるところがあるよ!」
いろいろやったけど、やっぱり少し寂しそうなシカマル。
諦めて帰ろうかと思ったとき、目の前にたくさんの大人が現れた。
見たことのない額当てをしていて、すぐに他の国の忍だってわかった。
逃げようにも周りは囲まれてるし、まだ小さい僕たちは忍術も使えない。
僕はすごく怖かったし、いのも泣きそうなのを必死で耐えている。
このまま連れてかれちゃうのかな、そんなふうに思ったとき、シカマルが僕たちに大丈夫だからって言った。
そのまま一人で前に出て。
「あ、危ないよ、シカマル!」
「シカマル、ダメよ!」
震える声で叫んだとき、ボフンッと煙がシカマルを包んだ。
現れたのは綺麗な男の人。
その人はたった一瞬で周りの人たちを倒した。
呆然とする僕たちを振り返るその人は、確かにシカマルの面影が残っていて。
「し、かまる…」
「怖がらせてごめんな、チョウジ、いの」
声は少し低かったけどその話し方はシカマルだ。
大人のシカマルは僕たちの頭を撫でると、騙してごめんって謝った。
「オレ、本当は暗部に入ってるんだ…」
シカマルは泣きそうな顔で全部話してくれた。
自分の頭のこととか一族のこととか全部。
わかりやすく一つずつ丁寧に。