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□怒りの理由
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「なぁ、さっきカカシと何してた」
「…は、……?」
いきなりアスマが現れたと思ったら腕を引っ張られて家に連れてかれた。
そして、ベッド押し倒されてこの質問。
たしかにカカシ先生とは会った。
一人で泣いてたとこをあの人に見つかって。
泣き止むまで傍にいてもらった。
正直に言いたいが、泣いていた理由が理由なだけに言えない。
アスマと紅先生が付き合ってる。
その噂が原因だなんて、言えるはずがない。
「…別に、何もしてねぇよ」
言ったら確実にこの関係は崩れてしまう。
少しでも悟られぬように目線を逸らす。
「嘘つくな」
尚もしつこく聞いてくるアスマにオレはただ否定する。
漸く諦めたのか、そうかと一言言ってアスマはオレの上から退いた。
安心したのは束の間だった。
突然手首を捕まれて、タオルで後ろ手に縛られる。
抗議しようと声をあげる前にキスで口を塞がれた。
いつもの優しいものではなく、荒々しいもので。
苦しくても手が使えないから抵抗が出来ず、されるがままの状態だった。
せめて、とアスマの舌を噛む。
痛みに歪む顔にざまーみろと思いながら必死にタオルを解こうと手を動かす。
そしたらいきなり目の前が真っ暗になって。
それがアスマの額当てだってわかったのは数秒後。