Gift
□愛故なのです
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「シカマルは今日も可愛いねー」
「ハイハイそりゃどうも」
「そろそろオレと付き合わない?」
「ご遠慮させていただきます。てかしつこい」
上忍待機所。
現在ここではブリザードが吹き荒れている。
原因はあの二人やり取り。
発生源は、設けられている喫煙所。
上忍の中には喫煙者もいるがさすがに誰も近付かない。
いや、近付けない。
二人のうちの片方、シカマルがブリザードの発生源を見る。
途端顔を綻ばせて、誰一人近付けなかったその場へと駆けていく。
「アスマ、待たせてごめん」
「気にすんな。お前は悪くないだろ」
ブリザードが止み、和やかな雰囲気に戻ったことにその場にいた者(原因以外)が安堵する。
代わりにピンクのオーラが撒き散らされるがブリザードよりはマシだと誰もが思った。
「じゃ、一緒に帰るか」
「うん。あ、夕飯何がいい?」
「オレはサンマの塩焼きがいいなあ」
「……あの、もうホントやめてくれません?」
取り残された方、カカシが性懲りもなくシカマルにちょっかいを出すことで再度吹き荒れるブリザード。
余計なことするなと心の中で周りは突っ込んだ。
「いい加減にしやがれ!人のモンに手出すな!!」
「えーやだ。シカマル可愛いし、オレ欲しいもん」
「ぜってーやらねえ!」
ほぼ毎日行われるやり取りにさすがにアスマはキレた。
対するカカシも乗り気で、二人とも臨戦状態。
このままではこの場が更地になるとシカマルが見兼ねて止めに入る。
ぐっとアスマの腕を掴み、ずるずると引き摺り家へと連れ帰った。