Gift

□Jealousy
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現在、ライドウは生き地獄を味わっていた。
原因は隣にいる同僚のゲンマから発せられる凄まじい殺気だ。
彼の視線の先には、最近注目の新人中忍、奈良シカマルの姿がある。
彼の周りには元担当上忍であるアスマやその同僚のカカシ、紅がいる。


またか、とライドウはこっそり溜め息をついた。


シカマルはゲンマの恋人だ。
だが、シカマルはかなりモテる。
恋人がいようとアプローチしてくる者は多い。
しかも悪いことに、当の本人は全くもって気付いていない。
当然誘いにも簡単に乗ってしまうのでゲンマの嫉妬も絶えないのである。

ライドウにとっては堪ったものではない。
尻拭いは全て自分に来るのだから。
ゲンマが放棄した仕事を片付けるのももう何回目であろうか。


と、そんなことを考えていると最悪なことが起こった。
あろうことかカカシがシカマルに抱き着いているではないか。
ブチッと何かが切れる音がしたのは聞き間違いではないだろう。

あぁ、終わった、と思ったと同時にドサリと腕の中の重みが増す。
綱手により渡された(押し付けられた)書類が倍になり、清々しい程の笑みを浮かべたゲンマが見える。




「ライドウ、後よろしくな」




そう残してゲンマは行ってしまった。


これから大変な目に遭うだろうシカマルに心の中で合掌しつつ今日も定時で帰れそうにないな、と一人涙し、ライドウは書類を運んで行った。
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