Gift

□はっきりしてくれ!
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本日、奈良シカナは人生最大のピンチに陥っていた。





「えっと…いの、テマリ…?」

「シカナ、今日こそはっきりしてもらおうか」

「もう焦らされんの嫌なんだよねー。で、オレとテマリさん…」






「「一体どっちが好きなんだ!」」







いつものようにぼーっと特等席にて雲を見ていたシカナ。
このまま昼寝でもしてしまおうかと思ったとき、突然目の前にいのとテマリが現れた。

いきなりなんなんだと声をかけると大事な用だと若干黒いオーラが見えるニッコリ笑顔で言われ、シカナはたじろいだ。



そして冒頭に戻る。




「ま、待てって…そんなすぐには…」

「すぐに、だと?ふざけるな」

「一ヶ月も待たせといてよく言う」



そう、実は一ヶ月ほど前にシカナはこの二人から告白されたのだ。
突然の幼馴染み、仲間だと思っていた二人からの告白にシカナは非常に戸惑った。

だから返事は待ってほしいと頼んだのだ。
二人はそれを了承し、今日までずっと待っていた。

だが、もうそれも我慢の限界だった。





「さぁ、今すぐ選べ!」

「無茶言うなって…」

「うっさい、バカシカ!アンタに文句言う権利は無い!」




詰め寄られるシカナ。
やっぱり二人とも大事だと選べずにいる。


「ったく…これじゃあ埒があかない…」

「ならば、こういうのはどうだ」


こそこそといのに提案するテマリ。
内容を聞いたいのはニヤリと笑みを浮かべ、賛同した。

何がなんだかわからなかったが、とてつもなく嫌な予感がしたシカナはこの場から逃げ出そうとした。
が、当然二人がそれを許すはずがなく、


「どこへ行くつもりだ?」

「オレらから逃げられると思ってんの?」

「………スミマセンデシタ」




逃げられぬように腕をしっかり捕まれ、連行されたのだった。
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