カナメ と カリン

□甘酸っぱい味
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用心棒を付けてもらうほど
外は暗くもないし
時間はまだ18時


それに
私に限ってそーゆー事はない、と断言できる


今までも一人で帰ることはあったし
変な人に声掛けられることも一度もなかった


おかしいなぁ


そう思いながら
帰りの身支度をして校舎を出た


今日は要くんに会えてよかった
ゆっくり話せなかったけど
遠くから見れただけでも満足!

ホンの少し会話だったけど
要くん…
私のこと覚えてくれてたかな?

中学時代も何度も話したことあったから
よっぽど印象がなかったとかじゃない限り、忘れてないとは思うけど―

もしかして、
あの時より私の外見が変わっていて、気づかなかったとか?
それだったら…どうしょう…


色々考えながら歩いていると
後から花梨を呼び止める声がした




「―…橘」




後を振り返ると
校門に寄りかかって立っている
人影があった



「久しぶりだな…橘」


その人影はゆっくりと
花梨に近づく


「か、要くん!?」


なんで要くんがここに?

咲ちゃんの言ってた
用心棒って、ま・さ・か!


「咲ちゃんから…頼まれたの?」

「…いや…まあ…な」


「―?―」


「途中まで一緒だから送っていくよ」


「え………うん」


思ってもないチャンス到来に
私は戸惑いながらも
素直に彼の言葉を受け入れた
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