カナメ と カリン
□練習試合
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「ホント、ごめんね」
「え?」
「剣道部のマネージャーになってすぐに、大仕事させちゃって」
「そんな事ないですよ。
でも…私なんかでお役に立てるかどうか…」
「すでに助かってます!」
「よかったです…けど、凄い量ですねコレ」
調理室のテーブルにズラリと並べられた、沢山のコップは述べ50個
それにおしぼり用タオル、麦茶、スポーツドリンク、ゴミ袋、果物…
「なんせ、3校合同でしょ?コップも50個じゃ本当は足りないけどね」
「果物も出すんですか?」
「ぜーたくでしょ?いつの間にか出すようになったみたいで…ないとないでブーブー言うのよ」
まったく…と、
呆れる原田先輩。
原田先輩は三年生で
剣道部のマネージャー
明日は近隣の高校と練習試合
春季大会前に毎年合同で練習試合をしているそうで
会場となる高校もローテーションで決まってて
今年は『三高』だった
クラスメイトと啓太くんに
『どーしても!』と熱くお願いされ
剣道部のマネージャーになった
あんなに熱くお願いするから
何で?と不思議だったけど
きっとこの、合同練習でマネージャーの原田先輩一人だと大変だから
お願いされたんだね!
意外と優しいんだ…