遊戯王5DXAL 〜外伝〜
□外伝ストーリー第1部:『最終修行!VS遊馬』
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遊馬:「そいつは確か…」
フロンティアが所持する訓練場。樹木が立ち並ぶ、その中で四大神王者No.4の九十九遊馬と、フロンティアSOA特務隊6係リーダーの実野塚羅夢が話していた。
羅夢:「ワックスポワロ事件で関わっている奴だ。少し前に釈放されたらしいんだが、その後の行方が分からないみたいなんだ」
遊馬:「フロンティア上層部は、そいつを追っているのか?」
羅夢:「そうしようとしているみたいだ。なんせ、あの男と一緒にいた男なら、バリアンについての手掛かりが手に入るんじゃないかという考えらしい。キミも任務のメンバーリストに入っていたよ」
遊馬:「第2の修行が始まったって言うのに、いきなり外に出なきゃいけないのかよ」
遊馬は今、小鳥や凌牙たちの修行を見ている。属性波動の習得の修行だ。
羅夢:「元帥の話しじゃ、強制はしないって言ってたが…」
遊馬:「いいさ。出られる時に出て、任務は遂行するさ」
少し笑って、遊馬は言った。
羅夢:「…デニム。ワックスポワロ事件の首謀者の1人。プリズンに連行されたが、刑はそんなに重くならず、一般牢獄所に移動。1年半ほどの刑を服し、釈放」
ミッションウォッチからホログラムを出して、ワックスポワロ事件の首謀者の1人デニムの履歴を出して言った。
ワックスポワロ事件は今、遊馬が修行についている小鳥たちに取って初めての任務であった事件だ。
そして、その事件の中、大切な仲間の命が奪われた。
矢橋ライト。SOA特務隊4係に所属していた仲間。フロンティアのメンバーでも、遊馬の存在を知っているものは数少ない。
そんなライトは、遊馬と仲をよくしていた。
遊馬:「狂言より罪は軽いと思っていたが、まさかこんなに早く出てくるとはな。流石に油断してたぜ」
羅夢:「奴は幻術を得意とする力を使ってくる。下手に動けば、奴の罠にはまる」
遊馬:「安心しろって。俺だって幻術の力を持つ奴と沢山戦ってきたし、四大神王者には幻術の力を使う人もいる。幻術返しには自信がある方だ」
と自信満々に発言する遊馬。
羅夢:「キミのことだ。あまり心配はしていないさ。だが、みんなにはどう説明する?任務に入る以上、修行は見れないが…」
遊馬:「修行の方も、最後まで責任を持つぜ。元帥に頼まれたから。だから、みんなには、このこと内緒にしてくれ。心配させて、みんなの集中を切らしたくはないから」
遊馬は羅夢にそうお願いした。
羅夢:「わかった。約束しよう」
羅夢はそう言った。
そして、遊馬は、この場を後にする。
遊馬:『何事もなければいいが…』
遊馬は心の中で呟く。
デュエルバトルカーニバル選手権が開催されている中、遊馬は動いていた。
新たな事件を解決するために…。
外伝ストーリー第1部:『最終修行!VS遊馬』
遊馬から、みんなに与えた第2の修行。それは属性波動のコントロールだった。
期間内に、実戦で使えるほどまで属性波動をコントロールできたら第2の修行は達成される。
遊馬:『属性波動のコントロールは自分のセンスも問われる。かなり厳しい修行だが、こればっかりは、自分を信じないと達成できない修行だ』
サングラスをかけて素顔を隠して街中を歩く遊馬。
すると、街中の店にあるテレビに注目した。
テレビに映るニュースは今、この街で開催されている第5回デュエルバトルカーニバル選手権の内容だった。
映像には、フロンティアのメンバーから出場している不動一星が映っていた。
遊馬:「へえ、順調に勝ち進んでいるんだな。流石は、あの人の息子だぜ」
遊馬は知っている。一星の父のことを…。なぜなら、彼の父もまた遊馬と同じ領域に立つ人物なのだから。
遊馬:『そう言えば、しばらく会っていないな。今、どこにいるんだ』
その人が、今どこで何をしているのか知らない遊馬。
仲間として、やっぱり気になる。
遊馬:『連絡してみるか…』
遊馬は携帯端末を手に取って見つめる。
遊馬:『いや、任務中かもしれねえからやめよう』
遊馬はそう言ってポケットに携帯端末を収める。