遊戯王5DXAL 4th

□第117話:『天兵VS羅夢 自然の漸進』
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百々原:「この男は、まだ街中にいるはずだ。手分けして探してくれ」
百々原は葵たちにそう命令した。





そして、今に至る。




天兵:「よし、座標を教えたよ」


龍亜:「じゃあ、あとは、あいつ妙な動きをしなければいいだけか」
龍亜は壁際に隠れながら、尾行する男を見つめる。


天兵:「足疲れたちゃった。よいしょっと」
ずっとしゃがんでいた天兵が立ち上がったとき、足元に空き缶があることに気付かず、足で蹴ってしまった。


天兵が「あっ!」と言ったときには、もう遅かった。

空き缶がカランカランと音を鳴らした所為で、男はこちらを見つめ、龍亜と目が合ってしまった。


男性:「ちっ」
男性は舌打ちをして、その場を逃げた。


龍亜:「くそっ、追うぞ!」

天兵:「う、うん」
龍亜が飛び出し、天兵が申し訳なさそうな顔をして龍亜の後を追う。




龍亜:「わるい、ターゲットに気付かれちまった。今、追跡している」
龍亜がミッションウォッチの通信機能をオンにして、仲間たちに連絡する。


天兵:「ご、ごめん、僕の所為で…」

龍亜:「謝るのは後だ。奴を追うぞ」
必死に追う龍亜。

それを見て、自分の過ちを責めるような顔をする天兵。



ターゲットは、人通りが多い場所に出た。


人ごみに紛れて逃げる作戦だろう。


龍亜:「このままじゃ、見失っちまう!」
人ごみの中を走るターゲットを追う龍亜。

しかし、人通りが多い所為で、ターゲットを見失いそうになる。


そして、ターゲットは右に曲がり狭い路地に入った。

それを見ていた天兵。

天兵はミッションウォッチのホログラムを出して、この辺りの地図を出した。


地図全体を見て、「よしっ」という顔をする。


龍亜:「ちっ、見失っちまった!」
ターゲットを見失う龍亜。


だが、


天兵:「龍亜、こっち」
天兵が、狭い路地に入った。

龍亜:「お、おい」
天兵を追う龍亜。

龍亜:「お前は、あいつがどこに行ったかわかるのか?」

天兵:「ターゲットはさっき右に曲がったが見えた。けど、このまま追っても追いつけそうにないし、先回りするんだ」

龍亜:「先回りって、あいつがどこに向かっているのかわかるのかよ」
龍亜がそう質問すると、天兵は再びミッションウォッチからホログラムを表示して、この辺の地図を見た。


天兵:「大丈夫。この辺の路地は迷路のようになっているから、警察から逃げるときにはうってつけの場所らしいみたい。でも、その出口は一つだけだ」
天兵は走って、その出口に向かっていたのだ。





龍亜たちから逃げる男性は、何度も狭い路地を曲がり続け、追手を撒こうとしていた。


そして、遂に狭い路地から広い路地に出ようとした時…!


龍亜:「はーい、そこまで!」
龍亜と天兵が、目の前に現れた。


男は、足で急ブレーキをかけた。

龍亜:「天兵、すげえな。本当に当たっちまったよ」
天兵の予想を褒めた龍亜。


男性:「くっ!」
男性は右手に剣を持つ。

剣タイプのデュエルギアだ。



男性は剣を振り回す。


龍亜と天兵は、当たらないようにすぐに躱した。

しかし、天兵が足をつまずき、地面に倒れた。


龍亜:「天兵!」

天兵:「っ…!」
天兵はすぐに立ち上がろうとするが、ターゲットは天兵を見て、剣を振り上げていた。


天兵:「うわあああ!」
驚きのあまり悲鳴を上げる。


龍亜:「ストリームサバイバナイフ!」
龍亜が大声で叫び、咄嗟に天兵の前に立って、手に持つサバイバルナイフを使って、男性の剣を受け止めた。


龍亜の”ライフ・ストリーム・ドラゴン”のナイフタイプデュエルギア”ストリームサバイバナイフ”だ。

持ち手が黄色く、刃先が赤く光っている。


天兵:「りゅ、龍亜…」
自分を守ってくれた仲間の後ろ姿を見て、自分が情けないと思ってきた。



男性は手に持つ剣に力を入れ、刃が龍亜に迫ってくる。


龍亜:「くっ…」
両手でストリームサバイバナイフを持ち、男性の力に耐える。

一瞬でも力を緩めたら、確実に斬られると思ったからだ。
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