遊戯王5DXAL 3rd

□第76話:『孫の裏顔』
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部屋を出た遊馬たちは、できるだけ先ほどまでいた部屋から離れるため、走っていた。


遊馬:「そういえば、SOA特務隊以外にも、隠密剣士部隊が来ていたな。あれも命令か?」


アリト:「ああ、けどお互い認め合ってはいないがな」

遊馬:「やっぱりな。それで、任務の司令は?」

キャッシー:「十天老士のヤバって人よ」

遊馬:「うっ…、あの爺さんか。俺、十天老士の爺さんたちの中でも、あの人の性格が一番嫌いなんだよな」
ヤバに対する本音を口にする遊馬。

何となく遊馬の気持ちがわかる未来たちだった。


舞:「それで、どうするの?他のみんなにも、あなたがいること伝える?」
舞の質問に遊馬は即答する。

遊馬:「いえ、あまり任務の支障になるようなことはしたくないです」

隼人:「任務の支障?」


遊馬:「俺と、みんなの目的は同じ。ここは一度、共に行動するぜ」
キャットちゃんたちにウインクする。

未来:「遊馬、あなた…」

剣山:「けど、いいザウルス?孤独の法が」

遊馬:「だから、他のみんなには俺がいることを伝えないでほしいんです。下手に広めたら、ヤバの爺さんにバレてうるさくなるんで」
遊馬が、みんなに自分がいることを伝えないでほしい理由が、今わかった。


世界勢力で一番強いとされる四大神王者の1人、遊馬が仲間になってくれるのは、心強いことだった。



セイコ:「でも、どうするんですか?肝心の探し物が、ドコにあるのかわからないんじゃ」

風間:「いや、そうでもないみたいだ」
ミッションウォッチに届いているメールを見る風間。

風間:「どうやら、一星が手掛かりを見つけたようだ」
風間から出た名前に反応する遊馬。

それに気づいたタカが話す。

タカ:「俺たちの味方だ。不動一星。機械やコンピュータに関する技術は父親譲りで、かなりの腕前なんだ」

ラリー:「それで一星はなんて?」

風間:「俺たちが、この基地に攻めてきた時間の監視カメラを確認。5階フロアで敵ボス2名を確認したってよ」

遊馬:「俺を部屋に残した後の映像っぽいな」

レベッカ:「となると、デスリングは5階のどこかに…」

イェーガー:「それだけ、絞り込めれば、捜す手間が少し減ります。急ぎましょう」
イェーガーがそういうと、みんなが5階に向かって移動を開始する。






その頃、ツバキ、ジム、本田の3人も5階へと向かっていた。


エレベーターに乗ろうとしたが、敵に見つかり乗ることができなかった。

仕方ないので階段を探し出し、上ることにしたが、4階に到着した瞬間に敵に見つかり、その階に留まっていた。


セルビア隊員A:「いたぞ!」


ツバキ:「くっ、見つかった」
ツバキたちはリターンして、この場を去る。


本田:「くそっ、5階のたどり着けねえ」

ジム:「このままでは、こちらの体力が消耗するだけだ」
かなり走り、力もそれなりに使っている。確かに、このまま長引けば、自分たちの体力がなくなるのは、目に見えていた。





更に、こちらでは…。



哲平:「はあああ!」
ウシルバスターを使って、目の前の敵を倒す哲平。


周りの敵を全部倒し、やっとの思いで、セルビアの基地内に潜入できた。


哲平:「やっと入れたな」
哲平は、急いで5階を目指す。

しかし、目的地に向かおうと決心した瞬間に、セルビアの隊員たちが目の前に現れた。


哲平:「くそっ、あと何人いるんだ…!?」
ウシルバスターを構えて、敵に突っ込む哲平だった。





その頃、レイドから大いなる力のE・HEROを奪い取った剣代たち。

ジュンコとももえが、レイドにやられた徳山の手当てをする。


徳山:「うっ…」
徳山の目が少しずつ開く。


レミ:「気が付いた?」

徳山の目に映ったのは上原レミだった。

そして、周りを見ると女性たちが沢山いた。その中に男性がポツンといたのは剣代だった。


徳山:「レイドはどうした?」
身体を起こす徳山。

剣代:「逃げられた…とだけ言っとく」
剣代はそれだけを伝え、徳山は「そうか」と言って、立ち上がった。


ジュンコ:「ちょ、ちょっとあんた!」

ももえ:「そのケガでは―」


徳山:「SOA特務隊と馴れ合うつもりはない」
ももえの言葉に重ねる形で言葉を発する徳山が横腹を押さえて歩き出す。


徳山:「任務はまだ終わっていないぞ」
徳山は少し強く言って、この場を後にする。


梨香:「なに、あの態度…!」

珠里:「せっかくジュンコさんたちが手当てしてくれたのに、威張っちゃって」
徳山の態度に文句を言う梨香たち。


明日香:「あの人にも、あの人の信念っていうものがあるのよ。そっとしておいてあげましょう」

梨香:「でも…」

剣代:「俺たちには俺たちのやるべきことがある。早いとこ急ごう」
剣代の言う通りだった。

皆は、この場を後にした。
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