遊戯王5DXAL 3rd
□第72話:『オカルトVS恐竜』
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ドラガンが外を見ていると、そこに!
セルビア部下:「いたぞ!」
セルビアの組織メンバーと思われる人たちが5人ほど現れた。
ドラガン:「ちっ」
舌打ちをするドラガン。
セルビアの敵がドラガンに襲いかかる。
しかし、うち一人が後ろからの攻撃によって倒れてしまった。
敵は誰だ!と後ろを振り向くが、他の敵も瞬時に倒される。
一星:「口ほどにもない」
愛:「峰打ちよ」
槍タイプのデュエルギアを持つ双子の姉弟が現れた。
ドラガン:「君たちは…!」
アキ:「ドラガン」
2人の母親であるアキが二人の後ろから出てきた。
ドラガン:「十六夜…!」
十六夜とはアキの旧姓である。
ドラガンを初め、ジャックや牛尾数人はアキのことを現在の姓である不動や下の名前では呼ばず、旧姓の”十六夜”と呼んでいるのだ。
アキ:「無事だったようね」
ドラガン:「ああ」
一星:「何か情報は得ましたか?」
一星がドラガンに質問する。
ドラガン:「いや、残念だが、今まで倒した敵からいい情報は得ていない。デスリングのことも連れ去られた仲間のこともな」
愛:「私たちと同じってことね」
ドラガン:「おそらく敵の中でも、デスリングの所在と、フレシャス財団のボスがレイドって男を雇っていることを知っているのはごくわずかなようだ」
今までの情報を考えると、そう決めつけるのが妥当だろ判断したドラガン。
一星:「俺もそう思います。両ボスとも、かなり慎重のようですね」
アキ:「隅から隅まで探すしかないってことね」
アキがそういうと。
一星:「いや、そうでもないと思う」
一星がそういい、3人が一星を見る。
愛:「どういうこと?」
一星:「あれを見ろ」
一星が見る目線の先を見るアキたち。
ドラガン:「監視カメラ。なるほどな」
一星:「こんなに広い建物なんだ。監視カメラの映像を見れば、連れ去れたみんなの居場所も、デスリングがある場所も見つけられるはずだ」
アキ:「そうなると、制御室を見つけるのが先ね」
ドラガン:「そうだな、早いとこ手掛かりを見つけてみんなに情報を展開しよう」
ドラガン、アキたちも制御室を見つけるために行動を開始する。
一方で、たった今セルビアの基地内に入った、獏良、杏子、藤原、ヨハンの4人。
獏良:「敵はいないみたいだね」
杏子:「ええ、でも油断しちゃダメよ」
歩きながら前へ進む獏良たち。
藤原:「これからどうします?僕個人としてはなるべく敵と遭遇せずに任務を遂行したいんですけど」
少し弱音を吐く藤原。
ヨハン:「ヤバの爺さんは敵から情報を聞き出して任務を完了させるって言っていたが」
杏子:「そんなことしなくても、動いていれば手掛かりは見つかると思うわよ」
敵と遭遇したくないのは、他のみんなもそうだったようだ。
ヨハン:「なあ、藤原」
前へ進みながら藤原に声を掛けるヨハン。
藤原:「どうしたんだい?ヨハン君」
ヨハンに声を掛けられた藤原が反応した。
ヨハン:「デスリングの回収のことなんだけどよ」
藤原:「うん」
ヨハン:「あれって、回収したあとどうすんだ?」
藤原:「それは勿論、処分するじゃない?砕くとか」
ヨハン:「本当にそうなのか?」
藤原:「え?」
獏良:「実は、それ僕も気になっていたんだ」
獏良が話しに入ってきた。
杏子:「どういうこと?獏良君」
獏良:「確かに危険なものだから、処分するのは当然だよね。指輪なんだし、砕こうと思えば砕けるよ。けど、そのデスリングは世界に8つしかない貴重なもの。それを簡単に処分するとは考えられない」
藤原:「考えてみれば、デュエルモンスターズの中でも危険なカードは沢山存在しているけど、結局処分せず、どこかに封印している事例が多々ある」
杏子:「そう考えると、デスリングも処分せず、封印する可能性があるってこと?」
獏良:「もしくは、この世界を支配する、あの組織に渡すか」
獏良がいうあの組織。ここにいる皆が獏良の言う「あの組織」がどこを示しているのかすぐに分かった。
獏良:「この世界は国家政府がまとめている。そう考えれば、そんな危険な物、国家政府が見逃すはずがない。噂じゃ政府は力を求めているって話も聞くからね」
皆が色々考えながら歩いていると、ビービーと嫌な音が周りで鳴り始めた。
ヨハン:「なんだ!?」
皆がきょろきょろ周りを見る。
藤原が上を見ると、鉄格子が落ちてくるものが見えた。
藤原:「危ない!」
藤原の叫び声とと共に皆が上を見る。
獏良は杏子を藤原たちがいる方へ押す。
杏子:「きゃ!」
倒れそうになる杏子を支えるヨハン。
ヨハン:「大丈夫ですか?」
杏子:「ええ、ありがとう」
ヨハンに礼を言う杏子。
上から降りてきた鉄格子の所為で、獏良のみが鉄格子の向こうに行ってしまった。
藤原:「トラップに引っかかったみたいですね」
獏良:「うん、残念だけど」
杏子:「獏良君!怪我ない?」
獏良:「大丈夫。平気だよ、杏子ちゃん」
笑顔で答える獏良。