遊戯王5DXAL 2nd

□第37話:『VS邪属性の脅威』
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その頃、慎也は-----



慎也:「王宮も気になるが、ここも少々気になるな」
慎也が今いるところは、式典会場だった。

事の始まりはここだった。

国にバリアを張られたときも、バギーが国家政府に諸々要求したのもここだった。


なら、ここに何かあるはずだと思ったのだ。



慎也は、周りに気を付けながら、前へ進む。


人の死体が、そこら中に倒れている。


慎也:「くっ、ダイシャラス王国第2王子バギー。やはり、この行為は許されることじゃない」
周りの残酷な光景にバギーに対する怒りを覚える慎也。


すると、こちらに近づく走る足音が聞こえた。


慎也は警戒するが、目の前に出てきた男を見て、すぐに味方だと判断した。


慎也:「なんだ、凌牙か」

凌牙:「慎也さん、何であんたが?」

慎也:「もしかしたら、ここに何かあるんじゃないかと思ってな」

凌牙:「俺と同じか。全てはここから始まった。なら、この会場には何かあると思って、俺もここへ来た。それで、何かあったのか?」

慎也:「いいや、これといって何もない。バリアの制御装置ぐらい、ここにあっても不思議じゃないと思ったんだが…」
慎也が話しを続けようとした、その時。



???:「制御装置は、ここにはないぞ」
どこからか聞こえた男の声。

周りを警戒する2人。


そして、近くにあったオブジェから姿を現した一人の男。


慎也:「幹部…いや四天王か」

凌牙:「何…!こいつが」
目の前に現れた男が四天王だとわかって少し驚く凌牙。


J・J:「流石は、フロンティアSOA特務隊8係リーダー桐潟慎也だ。俺の殺気を感じ取り、即判断したな」

慎也:「長年の経験ってやつだ」

J・J:「なるほどな。紹介が遅れた。俺はJ・J(ジェイツー)。テイタラファミリーの四天王の1人だ」
自己紹介を済ませるJ・J。


凌牙:「慎也さん、さっきこいつ」

慎也:「ああ、制御装置はここにないと言っていたな」

J・J:「信用できないか?だが、これだけ広範囲に展開するバリアの制御装置を外に出すマヌケがいるか?」

慎也:「まぁ、まずいねえわな。けど、お前が手に持つ、それはなんだ?」
慎也はJ・Jの左手に持つ何かのリモコンを見て聞く。

J・J:「これか?これは、バリアの制御装置を遠隔操作することができるリモコンだ。王子から預かった」
リモコンを見せびらかすように出して語るJ・J。


凌牙:「それがあれば、バリアを消滅させることもできるのか?」

J・J:「ああ、スイッチ一つでこの国を覆ったバリアを消すことができる」

慎也:「よし、そのリモコンを渡せ」
手を差し伸べる慎也。

J・J:「素直にはい、どうぞっていうと思っているのか?」

慎也:「ま、余程のバカじゃねえ限り言わねえよな」

凌牙:「力づくで奪ってやるよ」
凌牙がデュエルギア”ブラックランサー”を構える。


J・J:「やれるものならやってみろ」
リモコンを懐にしまうJ・J。


慎也:「街の人を守るために戦っている。時間がかけてられない」
慎也も、デュエルギア”サンダーマグナム”を手に取る。


J・J:「デュエルギア”モザイク・マンティコア”」
J・Jの手に、わずかに曲がった細身の片刃刀が握られた。カラーやデザインからして、J・Jが口にしたモザイク・マンティコアのデュエルギアだろうと、慎也は判断した。

凌牙:「変わった剣だな」

慎也:「シャムシール…」

凌牙:「ん?」

慎也:「中近東でよく使われていた刀だ。一体、どんな力を持っているのか、まずはそれを見極める!」
慎也がサンダーマグナムの銃口をJ・Jに向ける。

慎也:「サンダーショット!」
電撃の銃弾がJ・Jに向かう。


J・J:「そんなもの!」
慎也が放った銃弾を全て弾き飛ばす。


凌牙:「もらった!」
J・Jの目の前に現れた凌牙。慎也が攻撃を仕掛けたと同時に、既に走って来てたのだ。

凌牙:「ブラックスピア!!」
ブラックランサーの先が黒いオーラで纏われ、その状態で突貫してくる凌牙。


J・Jはシャムシールの剣先を地面に突き刺した。

J・J:「グランド・ガード」
突き刺した剣先の目の前の地面から大地の壁が現れ、凌牙の技を受け止める。


大地の壁にブラックランサーが突き刺さる。

凌牙:「くそっ」
突き刺さったブラックランサーを抜く凌牙。


J・J:「スコタディ・スラッシュ」
壁の奥から聞こえる不気味なJ・Jの声。
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