遊戯王5DXAL 1st
□第3話:『デュエルギア』
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訓練所
まず、慎也が訓練所へ入り、そのあとに、杏子や城之内たちが入室する。
既に、訓練所には、女性1人が待機していた。
「待たせたな、葵」
「別に待ってないわ。それより、準備はできてるわよ」
「ああ」
本田:「慎也、その女、誰だ?」
慎也:「俺が指揮する8係に所属する立波葵だ」
「立波葵よ。葵って呼んで」
青い短髪で前髪をヘアピンで止めている女性、葵が自己紹介する。
慎也:「ちなみに、俺の恋人だ。よろしく」
モクバ:「こ、恋人!お前に恋人がいたのか」
慎也:「いて悪いですか?」
モクバ:「いや、別にそうじゃねえが」
鬼柳:「それより、俺たちをここに呼んだ理由はなんだ?見せたいものがあるっていってたが」
「ああ、見せたいのはこいつさ」
慎也は右手に1枚のカードを手にする。
そのカードは”サンダードラゴン”だった。
エド:「サンダードラゴン…?それが、どうした?」
「まあ見ててくれ」
慎也は皆に背を向ける。
何かをしようというのか。
「デュエルギア…発動!」
サンダードラゴンのカードが輝く。
すると、そのカードが、リボルバー式の拳銃へと変わった。
ドラガン:「な、何が起きたというのだ?」
ゴーシュ:「カードが銃になったぞ!?」
皆、何が起きたか理解できなかった。
慎也:「これが、”デュエルギア”だ」
ドロワ:「デュエルギア?」
慎也:「ああ、人間の体内に流れる”デュエルエナジー”をデュエルモンスターズに与え、それを武器にする。武器の形状は、自身が理想した武器になるし、上級者は、手元にカードを持たなくても武器のみを出すことが可能だ」
亮:「これを俺たちに?」
葵:「ええ」
葵が慎也の隣に来る。
葵:「これが基礎の戦いよ。世界中で戦争する人たちは、ほとんどこれを使っているわ。デュエルエナジーを操り、デュエルギアを発動して、戦っている。情報係でも護身用で持っている人は沢山いるわ」
慎也:「ここにいる、みんなには、しばらく、この技術を身につけてもらう」
御伽:「やってすぐに身につくものなの?」
慎也:「いや、まず、デュエルギアを出すことよりも、デュエルエナジーの使い方をマスターしなければ、話しにならない。さっきも言ったがデュエルエナジーは、人間の体内に流れるエネルギー。デュエルギアを出すためには、エナジーを出したいところに気を集中させて、頭の中で想像した武器を手元に出す。エナジーのコントロールは、そう難しくないし、コツさえ掴めば、簡単だ」
「よーし、やってやるぞ!」
城之内が手元に”炎の剣士”のカードを出す。
静香:「お兄ちゃん、無茶よ!」
舞:「そうよ、エナジーのコントロールも分かってないし」
城之内:「うるせぇ、やってみなきゃわからねえだろ!来い!これが俺のデュエルギアだ!!」
城之内が持つカードが輝く。
すると、驚いたことに、城之内の手元に炎を吹き出す大剣が出ていた。
城之内:「おお、やったぜ!」
翔:「うそー、始めてなのに、もうできちゃった!」
レベッカ:「城之内、あんた才能あるんじゃない!」
城之内:「そ、そうか?」
城之内が少し浮かれる。
すると、
モクバ:「兄様もできたの?」
モクバが海馬を見る。
みんなが海馬に注目すると、海馬の手元に”ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン”を模した剣が出ていた。
大きさは普通の剣と同じぐらいだが、刃は青龍刀に似ていた。
城之内:「俺だけかと思ったが、海馬、お前も才能あったみてぇじゃねえか」
海馬は聞いてない振りをする。
城之内は気に食わなかったのか、怒り出す。
城之内:「毎度毎度、その態度が気に食わねえんだよ!ああ、海馬!」
「まあまあ、落ち着け」
マリクが後ろから城之内を押さえる。
「これは思ったより、早くかたがつきそうね」
「ああ」
葵と慎也がひそひそ話で話す。
クロウ:「俺たちも負けてられないぜ!なあ、ジャック」
ジャック:「同然だ!このキングに不可能はない!」
深影:「さすが、アトラス様!」
ハルト:「兄さん、僕たちも頑張ろう」
ハルトがカイトに嬉しそうに言う。
鉄男:「よーしやってやるぜ!」
慎也:「やる気があるのは十分ありがたいんだが、これは遊びじゃない。それを肝に銘じとけって…聞いてないな」
慎也が唖然とする。既に、皆、準備に取りかかっているからだ。
葵:「まあ、いいんじゃない。期限も決められているし、やらせておけば」
慎也:「フッ。そうだな」