遊戯王5DXAL 5th

□第154話:『過去との断ち切り』
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3か月前


遊馬の元、みんなが修行期間に入ったときのことだ。


アンナ:『あの時、俺は遊馬に呼ばれて、久しぶりに二人っきりになった』


アンナと遊馬も、演習場にある森の中にいた。


アンナ:「怒り?」

遊馬:「あぁ、お前に受け継がれているNo.6のエースのマークには怒りという言葉が込められている」

アンナ:「怒りねぇ。それがどうしたっていうんだ?」

遊馬:「お前、ダイシャラス王国での戦いで、その力に囚われたみたいだな」

今でも忘れないダイシャラス王国での事件。

あの時、テイタラファミリーの幹部ディヴィットと戦っている最中、アンナは怒りに囚われ、自我を失った。


無論、ある記憶を思い出したことで、その力から解放されたが、その記憶のことは、遊馬に関わることなので、あまり話したくない。

アンナ:「あ、あぁ」

遊馬:「お前のエースのマークの力は、自分自身の力を上げるには、最適な能力だ。自分の怒りを、力に変えてくれんだからな。だが、怒りに囚われ、エースのマークの力を解放し過ぎると暴走する可能性がある。ダイシャラス王国のときみたいにな」

アンナはダイシャラス王国でのことを思い出す。


あの時、近くにいたXたちにも迷惑をかけた。



自分自身思い出したくない記憶だ。

遊馬:「No.6は8つあるマークの内一番危険な力を秘めている。俺自身、お前にその力を使ってほしくはないが、今後の戦い、必要な時があるかもしれない」

アンナ:「…」
右手の甲を見つめるアンナ。


遊馬:「アンナ、お前は属性波動の修行中、No.6のエースのマークの力をコントロールできるようにもしてもらう」

アンナ:「わかった。教えてくれ、遊馬」
あの時、怒りの力をコントロールする修行が、遊馬と共に密かに始められていたのだ。






そして――




ブラナーに攻撃を喰らわせたアンナ。


アンナ:『遊馬、この力でバリアンを絶対に倒して見せるぜ』
アンナは心の中でそう呟いた。








第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』








第154話:『過去との断ち切り』






アンナの右手の甲に浮かび上がるNo.6のエースのマークが輝きを放つ。

アンナがマークの力を解放したのだ。



ブラナー:「さっきまでとは雰囲気が違うね。エースのマークの力かい?」


アンナ:「あぁ、俺のエースのマークは怒りを力に変える能力を持っている」
自分のエースのマークの力の特性を話すアンナ。


ブラナー:「怒りを力に…」

アンナ:「だが、この力を使いこなすには、エースのマークの力をもっとうまくコントロールすることと感情のコントロールが必要になる。前に俺は、そんなことも知らないで、エースのマークの力に溺れ、暴走仕掛けたことがあるからな」
アンナはダイシャラス王国であったことを思い出しながらそう呟いた。



ブラナー:「面白い力だね。その力を使ったってことは、君は僕に怒りを向けているってことだよね。でも、人間の怒りなんて、痛くも痒くもないよ」

アンナ:「その余裕も、いつまで続くかな」
セカンドステージ状態のラーゼン・ゲイボルグが赤いオーラに纏われる。


ブラナー:「人間如きが僕に勝てるわけないよ!」
ブラナーがアンナに接近する。


セイクリッド・スラッシュを前に突き出すブラナー。

ブラナー:「セイクリッド・インパルス!!」
光の斬撃をアンナに向けて放つ。



アンナ:「俺に力を貸してくれ。エースのマーク!」
右手の甲に浮かぶマークが更に輝きを増す。


セカンドステージ状態のラーゼン・ゲイボルグを構えるアンナは、フーと息を吐き、鋭い目でブラナーを見る。
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