遊戯王5DXAL 4th

□第115話:『執念を砕け 一星VSオズボーン』
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パティ:「龍可、私たちも帰るわ」

龍可:「明日のパーティ、どうするの?」

ボブ:「勿論、行くに決まってるだろ!」
ボブは嬉しそうにそう答えた。


龍可:「スライはどうするの?」
龍可の質問にスライは黙っていた。


天兵:「ホント、素直じゃないよね、スライって」
面白うそうに笑って天兵は言った。



アキ:「さあ、帰りましょう」

一星:「そうだな」
一星はアキと愛と共に本部へ帰った。


みんなが帰ろうとしている中、慎也が百々原に近づいて話しかける。



慎也:「色葉も言っていましたが、今回会場を覆ったものがパンドラの箱だとすると、四大神王者は動いていたかと思われます。現に、自分は、ここでNo.3のスターリングに会っていますし…」



百々原:「あぁ、少し話しもしたかったが、もう追うことは困難だろ。また次の機会にするさ」


慎也:「遊馬の方はどうしたんですか?」


百々原:「別の任務で、外に出ている。なに、修行の方はうまくいったよ」

慎也:「そうですか」
慎也は百々原との話しを終え、この会場を出る。



百々原:『君も、ここに来ていたのか…』
百々原が心の中で呟いた。








その頃、メガネをかけた謎の男性は、段々と会場から遠ざかって行く。







その頃、ラリー、ナーヴ、タカ、ブリッツは、本部に戻る前に食事を済ませようと街中を歩いていた。



タカ:「さぁて、何を食べよっかな」
目に入る食事のサンプルを見ては歩き見ては歩きを繰り返すタカ。


ブリッツ:「おーい、何にするか決まったか?」

タカ:「今日は、色々あったし、一星が優勝しためでたい日だからな。少し豪華に食べたいな」

ブリッツ:「そんなにお金はないぞ」
ブリッツはタカにそうツッコミを入れた。




ラリー:「あーあ、一星が優勝するところ見逃しちゃったな」

ナーヴ:「まあ、仕方がないさ。あんなことがあったんだからな」
残念そうな顔しながら歩くラリーに、隣を歩くナーヴはそう言った。




人が沢山歩く歩道。前から後ろから途切れることなく人が歩いている中、ナーヴたちの前から1人の男性が歩いてきた。


ナーヴたちはそれに気づいていない。



楽しそうに話しを続けるナーヴたち。


そんなナーヴたちに近づいてくる男性の左頬にはマーカーが刻まれていた。

サングラスをかけて素顔を隠す、その男は、先ほどまで会場にいたチャンピオン・名人こと四大神王者スターリングだった。



楽しそうに話しながら歩くナーヴたちに段々近づくスターリング。


そして、スターリングはナーヴの左横を素通りした。




ナーヴ:「え?」
今、自分の左横に歩いた人の顔を一瞬見たナーヴ。

すぐに、その場に立ち止まり、後ろを振り向いた。自分の横を通り過ぎた人は、もういなかった。いや、人が多すぎて見失ってしまったのだ。


ラリー:「ん?どうした、ナーヴ」
いきなり立ち止まったナーヴに声をかけるラリー。



ナーヴ:「……」
さっき、自分の横を通った男の左頬にあったマーカー。

ナーヴはそれに見覚えがあった。


ナーヴ:「いや、何でもない」
ナーヴはラリーたちに誤魔化して、再び歩き出す。


ナーヴ:『まさかな…』
ナーヴは心の中でボソッと呟いた。








その頃、スターリングは――。


今は人が全然いない公園の洗面所の蛇口を捻り、手を洗った。


すると、次の瞬間、髪の毛に触り、被っていたものを取った。

そう、カツラをつけていたのだ。


スターリングは、蛇口から出る水で顔を洗う。


???:「こんなところで顔を洗うなんて」
後ろから聞こえる女性の声。


由加:「誰かに見られたら、どうするの?」

スターリング:「由加か。無事だったようだな」
顔を洗いながらスターリングは言った。

由加:「当然でしょう。あんな力じゃ、私を倒すことはできないって。とりあえず、国際空港にいたオズボーン派の社員たちは、全員拘束したみたいよ。ヨーロッパの本社にもフロンティア側からSOA隊2係が向かっているみたいだし、全員捕まるのも時間の問題のはずよ」

スターリング:「そうだな」
蛇口を捻り、水を止める。


由加:「オズボーンが落ちたことで、ライナー・リッグが社長になるでしょう。そうしたら、ノルマンディーカンパニーは、昔の会社に戻るんじゃない」
由加の話しを聞きながら、スターリングは持っていたタオルで顔を拭いた。



スターリング:「由加、もう一つ仕事を頼んでいいか」

由加:「?」

スターリング:「お前にしか頼めない頼みだ」
タオルを拭きながらスターリングは言った。

由加:「今度は、どんな頼みかしら?」

スターリングはタオルで顔を拭き終わり、素顔を見せる。


由加:「遊星兄さん」



かつて破滅する未来からやってきた敵から、故郷ネオ童実野シティを救った伝説のデュエリスト。

その時に名づけられた名前は”ネオ童実野シティの救世主”。

男性の名前は…、不動遊星――







次回予告

ナレーション:オズボーンが逮捕され、次々とオズボーン派の社員が取り押さえ、ノルマンディーカンパニーに平穏が戻ってきた。

それから数日、アキは久しぶりに実家に戻り、両親と楽しい一日を送っていた。

その日の帰りに、謎の人物が現れ、彼女に刃を向ける。

この男の正体は…!


アキ:次回、遊戯王5DXAL「過去の刺客 紅の危機」


アキ:「刃を向けてくるんだったら容赦はしないわ!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


一星:「今回の事件で突然現れた”パンドラの箱”は世界精霊大戦の時にも現れ、国会議事堂とホワイトハウスを覆ったという歴史が残っている。あの大戦争で出てきたものが、この世界に現れるとは誰も思わなかっただろう。だが、これはもしかしたら今後の悲劇の前兆かもしれない」
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