遊戯王5DXAL 1st

□第3話:『デュエルギア』
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フロンティア本部





訓練所



周りの電気を一斉に点灯する。



訓練所の広さは、学校の体育館ぐらいあった。




そこに、慎也が入ってくる。




「よし、ここでやるとするか」


「慎也、準備はOKよ」
慎也の後にもう1人、女性が入ってきた。

「ああ、手間を取らせたな、葵」
慎也が女性の名を呼ぶ。

「別にいいわよ、暇だし。それより、みんなにはどれぐらいの期間を与えるの?そんなに時間はないんでしょ?」

「ああ、与えられる時間は、1週間弱だろ」

「そんな短期間で、”デュエルギア”を出すコツを教えるの?ちょっと、無理あるんじゃない?」

「かもな、だが、それでも時間はない。やれるところまでやるさ」
慎也が葵の隣を通り、訓練所を出る。


「そう…」









第1OP『衝動《B'z》』






第3話:『デュエルギア』






食堂




春:「はーい、朝ごはんじゃよ」

トメさん:「残さず、食べるんだよ」

2人がそういうと、セイコや未来、マーサたちがご飯を配る。と言っても、朝食などで、あまり量はない。それでも、パンやご飯、種類は沢山ある。



剣山:「やっぱ、朝はご飯に限るドン!」
ご飯をかき上げる剣山。口の周りにご飯粒が沢山ついている。

ブレイブ:「もう少し落ち着いて食べろよ。ご飯粒が沢山ついているぞ」

剣山:「済まないドン」

ドラガン:「大人げない」

周りのみんなが笑う。



ハラルド:「あなた方は、こういった仕事に就くことになったのですか?」
ハラルドが、トメさんたちに聞く。


セイコ:「はい、デュエルモンスターズをあまり知らない私たちは、SOA特務隊直属の人員補佐として働くことになりました」

トメさん:「と言っても、例え補佐でも護身用に技を磨かないといけないみたいだけどね」

春:「あまり、年寄をいじめないでほしいものじゃ」


マーサ:「ちなみに私はシュミット先生と一緒に医療機関に入ったわ」

雑賀:「マーサとシュミット先生は医療に手馴れているからな。お似合いの場所だろ」

シュミット:「そういえば、雑賀くんは分析官と情報係に入ったみたいだな」

雑賀:「ええ、俺はそっちがお似合いですから」


吹雪:「そういえば、恵美は、SOA特務隊直属の医療機関のリーダーになったみたいだね」

恵美:「え、ええ、みんなの推薦でね」

藤原:「鮎川先生ならうまくいきますよ」

吹雪:「藤原、今は鮎川先生じゃなくて、天上院先生だよ。間違わないでくれたまえ」
恵美の旧姓は鮎川だが、今は吹雪と結婚して天上院になっている。

亮:「俺たちにとっては鮎川で定着しているんだ。仕方がないだろ」

吹雪:「いや、夫として見逃せない!」

「パパ、人前でも相変わらずだね」
吹雪と恵美の18歳の娘、天上院亜美が恥かしそうに言う。

自分の父がこうだと、娘としてやっぱり恥ずかしいのだ。

梨香:「ねえ、亜美。次元振動が起きる前、あなたがいたときのおじさんも、こんな感じだったの?」

亜美:「ええ、40過ぎても、変わらずだったわ。ホント、迷惑の父よ」

珠里:「でも、いいよね。パパがいて」

梨香:「珠里…」

珠里:「あ、ごめん。お姉ちゃん。私そういうつもりじゃ。さっさとご飯を食べましょう。今日は、このあとすぐに訓練所へ行くんだから」
珠里は急いで、マーガリンのついた食パンを食べる。


イェーガー:「それでは、私はお先に失礼します」

龍可:「もういいの?」

イェーガー:「ええ、少し家族に電話をしてきたいので」
イェーガーは食堂を後にする。

龍亜:「そういえば、イェーガーって何してるんだ?」

ミゾグチ:「人員補佐らしいです。それも、代表」

龍亜:「ふ〜ん、それってやっぱり家族のために?」

ミゾグチ:「ええ、ネオ童実野シティが消え、市長の座を無くした彼は、何とかやりくりし過ごしているそうです。ここで働いたお金も、全て、妻と息子に与えるそうですよ」

シェリー:「昔の彼だったら想像もできないわね」
シェリーが笑う。

風間:「そうだな。それでも、今は家族のためにやることをやるって決めたんだろ。いい奴じゃねえか。それに比べてあいつらは」
牛尾の知り合い風間が後ろを振り向く。


そこには床をモップで拭く、インセクター羽蛾とダイナソー竜崎の姿があった。


羽蛾:「なぜ、僕たちが、こんなことをしなくてはならないんだ!」

竜崎:「そうや!これは差別や!えこひいきや!」
2人が文句を言う。



なぜ、二人が、こんなことをしているかというと、昨日、会議が終わった途端、彼らはひょっこり姿を消した。

向かった先は、カードが保管されている地下金庫室だ。

そこにこっそり入るつもりが、セキュリティに引っ掛かり、取り押さえられてしまった。



その罰として、こんなことをしているんだ。



オボミ:≪罰ゲーム、罰ゲーム、チャント働け、チャント働け≫
ロボットのオボミが2人の周りを走る。

オービタル:≪ホラチャント働け!このボンクラ共!≫
オービタルが怒る。


竜崎:「うるさいわい!働けばいいんやろ!働けば!」

羽蛾:「くそっ、覚えていろ」
2人は再び仕事に入る。





杏子:「二人は、ちゃんと働いているよね」

レベッカ:「そうみたいね」

杏子:「そういえば、レベッカ。ホプキンス博士はどうしたの?双六おじいさんもいないみたいだけど」

ジム:「鮫島校長と影丸理事長もいないみたいだが?」


レベッカ:「ああ、おじいちゃんたちは、SOA特務隊の相談役の仕事を任されたみたいだから、もう仕事に入ってるんじゃない?」

杏子:「相談役?」

杏子がそういうと、そこに慎也が来た。


慎也:「SOA特務隊の相談役は、人員補佐や監査員をまとめ上げる業務のことだ。何、仕事場はいつもと同じさ」

杏子:「慎也くん」

慎也:「くんはいらないですよ。杏子さん。それより、食事を終えたら、すぐに訓練所に来てくれ。みんなに覚えてもらいたいことがある」








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