遊戯王5DXAL 3rd
□第84話:『VS孫 襲いかかる血界モンスターの能力!』
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遊馬:「今はデスリングの力に憑依されちまった孫を止めることだ」
哲平:『孫を止める方法があるのか?』
遊馬の言葉に通信の向こうで哲平が遊馬に聞いた。
遊馬:「ちゃんとした確証はねえが、やる価値はある。血のデスリングの力を止める方法が」
遊馬がそう言うと、通信の向こうで「うおおお」と叫び声が聞こえた。
ツバキでも哲平でもない。そう孫が叫んでいたのだ。
孫を覆っていたオーラが徐々に消える。
さっきまでとは違う。物凄い殺気と、嫌なオーラが漂う。
いや、見た目も少し変わっている。
血のデスリングから妙な触手が孫の左腕に寄生し、なおかつ身体中に浮かびあがっていた血管が黒くなっていた。
孫:「これが俺か。これが闇の力か」
見た目は変わったが、まだ孫としての意識はあるようだ。
ツバキ:「孫の姿が変わった!」
孫:「うおおお!」
槍タイプのデュエルギアを振り回し、風圧が二人を襲った。
哲平:「くっ!」
ツバキ:「うわああ!」
2人は背後にある木に背中をぶつける。
遊馬:『二人とも大丈夫か!?』
遊馬は焦りながら、2人の生存を確認する。
哲平:「ああ、なんとかな。それよりも、あいつを止める方法を教えてくれ。奴の身体が変貌した!」
立ち上がる哲平が遊馬に聞く。
セイコ:「変貌…?」
遊馬:「闇の力を引き出し過ぎたんだ。これ以上、引き出せば、精神がデスリングに食われるぜ」
剣山:「どうしたら、変貌を止められるドン?」
剣山が遊馬に聞く。
ツバキ:「僕たちにできることなら何でもやるよ。早く教えて。流石に、あいつの攻撃を躱しながら話し続けるのは無理があるよ」
孫が出す攻撃を躱し逃げながら話すツバキ。
哲平も同様だった。
遊馬:「いいか?血のデスリングは、力を引き出すために血を欲しがっている不気味な指輪だ。戦えば戦うほど多くの血が流れ、それは返って血のデスリングに力を与えることになる」
隼人:「つまり、血を流さずに戦えってことなんだな」
舞:「けど、そんな戦いってあるの?」
遊馬:「ありますよ。みんなが大好きな、これが」
そう言って、遊馬はデッキを見せた。
イェーガー:「デッキで戦えって意味が分かりませんよ!」
イェーガーは何も考えずに即答する。
しかし、後ろにいた風間が少し考えていたのか、ピーンと閃いた。
風間:「そうか!デュエルか」
風間の言葉に、遊馬がニヤッとする。
ツバキ:「デュエルであいつを止める…」
攻撃をし続ける孫を見て呟くツバキ。
遊馬:「そうだ。デュエルではカードが武器だ。デュエルで何とか孫の隙を作り、孫から血のデスリングを外せばいい。デスリングは外せば、効力はほぼなくなるからな」
遊馬の言う通りだ。デュエルではカードだけが武器になる。
正直、血は流れない。
だが、みんなには疑問点があった。
フレシャス財団の隊員たちを戦闘しているマリク、イシズ、エド、三沢。
一度、隠れ、遊馬の通信を聞いていた。
エド:「しかし、そんなんで本当に止められるのか?」
マリク:「無理がある。デュエルで孫からリングを外すことなんて」
遊馬の通信に返すエドたち。
遊馬:「確かに、若干無理があるかもしれない。けど、今はこれしかない。それに、もしもの時も考えてある」
ツバキ:「もしものとき?」
遊馬:「そっちは俺に任せてくれ」
遊馬はそのまま話しを続けようとしたが、いきなり通信が切れた。
杏子ルート
結衣:「ツバキ!ツバキ!」
獏良:「通信が切れた」
杏子:「早く急ぎましょう!」
息子を心配する杏子が先頭に立って走る。