遊戯王5DXAL 2nd
□第46話:『止められない静かな怒り バギーの風』
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葵:「小鳥、彼女たちはね、あなたが心配で危険を冒してまで、私たちについてきたの」
葵がセイとサチが、自分たちに着いてきた経緯を話す。
小鳥:「セイ、サチ」
それを聞いて、つい2人の名前を呼ぶ小鳥。
葵:「その気持ちに応えてあげなさい」
少し躊躇う小鳥。だが、答えはすぐに出た。
小鳥:「わかりました。セイとサチをよろしくお願いします」
葵と色葉に2人を守るようにお願いする。
葵:「大丈夫よ、彼女たちは私たちが守るわ。敵が近くにいるかもしれないから、一度通信を切るわね」
葵がそういうと、通信を切った葵。
色葉:「さあ、王宮に行くわよ」
その言葉にセイとサチが「はい!」と返事をする。
小鳥サイド
小鳥:「セイ、サチ、無茶しないでね」
小鳥もこの場を去る。
その頃、倉庫内でラットリーと出くわしたSOA特務隊の隊員たち。
六十郎がラットリーの相手をしていた。
六十郎:「はあ、はあ」
息を切らす六十郎。
それに対し、普通に立っているラットリーはフッと笑う。
一馬:「六十郎さん!」
六十郎:「手出しは無用じゃ!これは、1対1の戦い。ワシの戦いじゃ」
ラットリー:「強がる人だ。だが、そろそろ私も時間だ」
サイキックブロッカーのナイフタイプのデュエルギアの刃を舌で嘗める。
ラットリー:「こいつが血を吸いたがっている。あなたたちの首を一気に落とさせてもらいます」
みんなを怯えさせるラットリー。
それに、羽蛾と竜崎がヒィィィと喚く。
六十郎:「お前さんの相手はワシだ。後ろの者達には手出しするな」
ラットリー:「でしたら、あなたの首を最初に落として差し上げましょう」
ラットリーが一気に六十郎に接近し、懐を取った。
トロン:「マズい!」
マーサ:「危ない!」
みんなが、六十郎の危機に叫ぶ。
しかし、六十郎は、カオス・ソルジャーの剣タイプのデュエルギア”伝説剣”で受け止めた。
ラットリー:『これを受け止めるとは、この老人、剣裁きの中では、かなりの手練れ』
ラットリーが一旦、下がる。
宝井:「あの首跳ねの鎌鼬に、ここまで対抗できるとはな」
春:「お前さんは知らないが、あそこにいる老いぼれは、あんたが思っているほどの男ではないぞ」
後ろに手を回し、立っている春が六十郎を見て言う。
昔から、六十郎のことを知っている春。長い付き合いだからこそ、知っていることもある。
みんなが、色々雑談をしていると、ラットリーの無線機に通信が入った。
ラットリー:「どうした?」
ラットリーは耳につけている通信機に意識を少し集中し、小さい声でしゃべる。
ラットリー:「何…!王子が」
ラットリーに来た連絡は、王子が王宮から出てしまったという情報だった。
ラットリー:「なぜ、王子を出した?言い訳は聞かないぞ」
ラットリーが通信相手の部下に強く質問する。
六十郎:「なに、こそこそ話しておる!戦いは終わってはいないぞ!」
六十郎がラットリーに刃を向ける。
ラットリー:「チッ」
ラットリーは嫌々、ナイフで刃を受け止めた。